日本は学歴社会です。高卒より大卒の方が大企業に就職できる可能性が高いですし、同じ大卒でも卒業大学の偏差値が高い方が大企業に就職することができます。
上記を背景に、本当は大企業で働きたかったのに、新卒で中小企業への就職を余儀なくされたという方はいませんか?
でも安心してください!中小企業から大企業への転職は実現可能です。
では、どうすれば中小企業から大企業への転職は可能なのか、現役転職エージェント勤務の筆者が解説をいたします。
中小企業から大企業を目指す方は、是非本編を参考にしてください。
目次
中小企業から大企業への転職が可能な訳

では、なぜ中小企業から大企業への転職が可能なのか、その理由を説明します。
具体的には以下の通りです
- 新卒はポテンシャル採用で、中途は原則即戦力採用
- 大企業でも離職者が出るので、その人員の穴埋めが必要
- 優秀な人材を採用したいのは大企業でも同じ
以下それぞれ解説します。
新卒採用はポテンシャル採用で、中途採用は原則即戦力採用
日本の新卒採用は、ポテンシャル採用、すなわち将来伸びしろのある人材を採用したいと考えます。
では、何をポテンシャルだと判断するのかというと、以下の通りです。
- 地頭
- やる気
- コミュニケーションスキル
- インプレッション(印象)
特に地頭がいい場合は、考えて仕事ができるため非常に伸びしろが高いと判断されます。地頭を単純に計ろうと思ったら高学歴の人を採用するのが手っ取り早いです。
高学歴で、やる気があり、一定のコミュニケーション力があり、かつ会った時の印象が良い人を優先的に採用していくというのが新卒採用で大手が行う採用だと思ってください。
一方、中途採用は最低限の教育をした後にすぐ活躍してほしいというのが会社の希望なので、同じ業界、もしくは似たような業界で成果を出してきた人、成果を出せるプロセスを踏める人を採用したいと考えます。
つまり、同じような業界を経験して、それなりの仕事をしていれば大手企業は採用に触手を伸ばすということなのです。
余談ですが筆者は20人くらいの人材ベンチャーに居て、次の会社は社員数1000人以上の大手でした。筆者の例を見ても分かるように、中小から大手へ転職することは可能です。
大企業でも離職者が出るので、その人員の穴埋めが必要
企業が採用を行う理由は、欠員補充と組織強化です。欠員補充の場合は、可能な限り早く活躍できる経験者を採用したいと企業は考えます。
そして、大手企業でも一部の会社を除き、退職する社員は存在します。実際、筆者が最初に所属した企業は社員数10000人の超大手証券会社でしたが、それなりに退職者は出ます。(業界の特性もありますが)
その際、欠員が出て採用が必要だと判断されたら、外部から採用をします。その際、中小出身か、大企業出身かはあまり重要ではありません。
入社して活躍できることが証明できれば現職の規模は関係なく評価されます。活躍できると企業側が判断できるための条件を整えておけば、大企業へ転職することは可能です。
優秀な人材を採用したいのは大企業でも同じ
欠員補充においても組織強化においても、共通していることは優秀な人が欲しいということです。
優秀さを判断するにあたり、在籍企業の規模は重要ではありません。むしろ、小さな業界はインフラなどが整っていないので、大企業に入社したら、もっと活躍できるかもしれないと判断されるケースも珍しくありません。
優秀な人材であれば、どんな規模の会社にいても大企業から採用される可能性は十分にあるのです。
中小企業から大手企業へ転職をするために必要な3つのこと

では、中小企業から大手企業への逆転転職をするためにはどのようなことが必要なのかを解説します。
同業界での転職を目指す
基本的に大手企業、特に製造業の大手で見られる傾向として、同業界での経験者を採用する傾向にあります。そのため、大手を目指すなら同業他社への転職を目指しましょう。
ブラックな業界の場合(人材業界のような)は大企業も業界未経験の人材を採用してくれますが、製造業の場合だとなかなか業界未経験者を採用するケースは少ないです。
また、人気企業に関しても人が辞めないので、中途採用は経験者に絞られます。
ですので、大企業に転職したいのであれば、どの業界でキャリア形成をしていくべきなのかを決めたうえで、その経験値を高めてください。
同業他社への転職に関しては以下の記事を参考にしてください。
転職回数は増やさない(転職回数は0回or1社 3年以上の経験値が必要)
大手企業は転職癖のある人を採用しない傾向にあります。そのため、中小企業から大手に転職するのであれば、その会社でなるべく長期的な就業をするようにしましょう。
基本的に大手企業が見ているのは、以下のポイントです。
- 1社3年以上の在籍
- その業界でも3年以上の就労実績がある
- 転職回数は0~1回(20代の場合)
筆者の働く人材業界のようなブラック業界は、あんまり気にしなくても良いのですが、製造業など人気業界に関しては上記のポイントをすべて満たしていないと大手企業への転職は厳しくなります。
大手企業は社員定着率を非常に気にしています。(社員定着率が低いと、ブラック企業とか長く働けない会社と思われ、会社の評判にも影響をうけます。)
長く働ける人材であるということを自分の経歴で証明をする必要性があるのです。
成果を出す!成果を出せるプロセスを構築する
面接をクリアするのか、しないのかというテーマに該当する話ですが、成果を出せるプロセスを構築して、成果を出しているのかどうかが問われます。
ここで大事なことは再現性です。
今の会社で成果を出しているプロセスがそのままその大企業に転職しても同じように成果を出せるプロセスを踏んでいるのかを面接では評価されます。
そのため、ただ漠然と今の成果プロセスを面接で語るだけでは十分とは言えません。
会社の製品、仕事の仕方などをあらかじめ研究しておき、自分の成果プロセスの中でどれが一番面接官に刺さるのかを事前に研究しておくことが必要です。
転職エージェントを利用している方の場合は、そういった働き方や面接情報について事前に確認する、場合によっては面接対策を実施してもらうと良いです。
面接をクリアするための方法に関しては、以下の記事にまとめているのでご参考にしてください。
まとめ
以上、まとめます。
- 新卒採用で大企業に行けなくても、中途採用で大手企業への転職をする逆転転職は成立するケースが多い
- 逆転転職が成立する理由は、新卒採用の場合ポテンシャル採用で高学歴者に有利だが、中途採用は経験値と能力が評価対象になることが要因
- 中小企業から大手企業への転職には、同業界での活躍と少ない転職回数が必要
- 面接で評価されるのは成果と成果プロセスに終始する。成果の再現性を面接の中で表現する必要がある
中小企業から大手企業への転職が成立するかしないかというと、成立します。それでもそんなに甘くはないです。
大企業はプロパー社員(新卒からその会社に在籍している社員)が出世するので、プロパーと同等か、それ以上の能力があると評価され、会社の課題をクリアしてくれる社員を採用したいと思います。
とはいえ、中小企業で頑張って成果を出せるだけの実力があると認められれば、大手企業への転職は成立します。
大手企業への転職を成功させるためには、それ相応の能力を身に着け1社(多くても2社)でのキャリアを形成を行いましょう。
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