最近は短期で転職をする人が増えてきています。実際、筆者が転職エージェントとして転職面談する人の中では入社1年目に3ヶ月以内で会社を辞めた人というのは20代、30代に限らず一定数いらっしゃいます。
入社3ヶ月で退職でした人は、口々に反省の弁を述べるケースが多いのですが、なぜ仕事を3ヶ月で辞めてしまうのでしょうか。
また、転職先を見つけるにあたってどうすればよいのでしょうか。本編では短期退職からの転職に必要な3つのルールを現役転職エージェント勤務の筆者が解説をさせていただきたいと思います。
仕事を1年で辞めるケースについては以下で言及しています。
目次
なぜ3ヶ月で仕事を辞めるのか?早期退職をする理由

そもそもなぜ3ヶ月という非常に短い期間で退職をするのか、まずはその点について言及をいたします。
職場環境があまりにも過酷
入社したら、面接で感じた印象以上に職場環境が過酷すぎて、試用期間である3ヶ月を契機に退職したという人はかなり多くいます。
実際、筆者が在籍した前職でも入社3ヶ月で辞めていく人は結構いました。毎日朝8時~9時に出社し22時に帰宅するような職場環境だったので、そんな環境の中長く働けないという同僚はやはり一定数いました。
筆者も前職に入社した際はみんな20時くらいには帰ってるよ!と言われましたが、ふたを開けたら20時に帰宅できたのは最初の1か月と退職が決まった1カ月半だけでしたので聞いた話と違うじゃん!って思いながら働いていました。
筆者の場合、労働時間はどうでも良かったので、とにかく転職エージェントとしてのキャリアを積むためのベースが欲しかったのであまり気にならなかったですが、誰もがそういうわけにはいかないでしょう。
少し話がそれましたが、労働時間が長すぎる、職場環境が過酷で入社3ヶ月で退職する人は決して少なくはないのです。
仕事内容、労働条件が聞いた話と異なっている
労働環境の話とも一部重なりますが、以下のような点で入社前の話と異なるということで転職をする人も多いです。
- 入社したら当初の提示金額よりも低い金額で働けと言われた
- 入社前に説明された仕事と全く異なった
- 当初配属予定だった部署とは別の部署で働けと言われた
- 入社したとたんに残業代が廃止された
会社の状況は1日で変わることがありますし、ひどい会社はだまし討ちで入社させるケースはあります。
筆者も2社目で入社した人材系のベンチャー企業で転職エージェントをやりたいという理由で転職したのに、入社後半年も満たないうちに会社が人材紹介業(転職エージェント業)に力を入れないという方針が出されたことがあります。
また、前職では筆者が得意としていた採用領域に力を入れないという方針も出されたことがあり、売上が激減したことがあります。
蓋を開けてみたら(入社したら)聞いていた話と全然違ったという事例も入社3ヶ月で転職するという理由の多くを占めているように感じています。
転職先の仕事に適性がないと判断した
未経験職種、業界への転職をした人の中には新しい仕事を求め、転職したら自分に全然合わなかったというケースも一定数見られます。
筆者も昔コンサル業界に興味を持っていましたが、実際証券会社の企画職として働いていた時、資料作成能力は低く、あまり上達しなかったので本当に適性がないのだと感じました。
コンサル業界に採用されたとは思いませんが、仮に採用されていたら同じ理由で早期退職していた可能性があると筆者自身が感じています。
このように、自身の適性と就職・転職先の仕事の乖離が顕著な場合に早期退職に繋がっているケースは多少なりともあります。
パワハラが横行している
3ヶ月という短期退職で最も多いのは、パワハラ体質の上司がいるケースじゃないかと思っています。
実際、筆者が転職を支援した方でも転職先の上司が非常にパワフル体質で飲み会の席で2時間説教をする、些細なミスを契機に仕事を取り上げるなどのパワハラで心を病み、自身の備品と退職届を郵送して退職した事例がありました。
上司は選べません。それがゆえに言葉は悪いですがパワハラを行うクソ上司のせいで短期退職を余儀なくされたという人はこのご時世でも多いのが現状です。
職場のハラスメントについては以下の記事でもお伝えしています。
ハラスメントが酷い職場環境から逃れたい!ハラスメントの対応策4選
仕事を3ヶ月で辞めたことは人生のミスなのか?短期退職からの転職に必要な3つのルール

残念ながら、仕事を3ヶ月で辞めたということはご自身の人生においてミスだと言っていいでしょう。少なくとも職務経歴書は汚れ、会社をすぐ辞める人だという印象を採用側につけてしまうことは間違いないです。
しかし、3カ月で仕事を辞めたからと言って、次の仕事を見つけられないというわけではありません。実際、新卒で入った会社を3ヶ月で辞めた人も転職先を3ヶ月で辞めた人も転職を成功させているケースは多いです。
中には、1社目を3ヶ月で辞めて2社目で10年以上勤務されている強者もいます。では、仕事を3ヶ月で辞めるという人生のミスをひっくり返すためには何が必要なのかというと以下の通りです。
他責から自責の思考パターンに変える
他責とはざっくり言えば「人のせい」自責とは「自分のせい」にすることです。転職を頻発させる人の傾向としてほぼ全員に「他責」にする傾向があります。
しかし、他責の人間というのはビジネスに適しません。なぜなら、改善ができないからです。
PDCAサイクル(計画→実行→確認→改善を繰り返し、仕事をブラッシュアップする仕組み)が多くの場面で使われるように、ビジネスには自己認識力と改善力が求められます。
他責の人間には、ビジネスで必要な自己認識力と改善力がないとみなされ、採用企業からは自社に必要な人間だとみなされません。
どんな理由であろうが、その会社を選んだ自分のミスを認めたうえで転職先を探すようにしましょう。
自分の適性、キャパシティを認識する
筆者もそうでしたが、自身を過大評価するとろくなことがありません。
筆者は1社目で証券会社に入社しましたが、テレアポ、訪問営業なんて俺でもできる、ハードワークも大丈夫、俺はできる奴だと思っていました。
しかし、実際証券会社で営業を経験したら恐怖で訪問営業ができない、ハードワークダメというのが露見してしまいました。(今だったら普通にできるでしょうが笑)
早期退職をする人はできないことをできると思いこむ、これなら大丈夫だと思うことの障壁や自己認識が低い方が多いように見られます。
チャレンジも大事ですが、自身の適性、キャパシティをしっかり認識することも大事なのです。
3ヶ月で退職した理由をしっかり認識し、転職面接でその理由をしっかり説明する
3ヶ月で退職するというというのは繰り返しますが、人生のミスだといっても過言ではありません。そして、ミスは大なり小なり責められるものです。
しかし、真摯にそのミスに対して向き合い、改善しようとする人には救いの手が差し伸べられます。
そして、ただ改善しようとするだけではダメです。転職成功という1つのゴール(通過点)を迎えるためには、自分がどういうミスをしたのかという事実を赤裸々に転職先企業に伝えましょう。
なぜ、赤裸々に伝えるべきなのかというと短期で退職した理由を伝えることで、採用側は自社で同じような理由で退職するのか、しないのかを判断してくれるからです。
そして、長期就業が難しいと判断した場合は、採用しないという判断をしてくれます。
面接に落ちるということをネガティブに捕らえるかもしれませんが、長い目で見れば職務経歴が汚れないうえ、自分が長期的に働ける環境で働ける可能性が上がるからです。
自分に合う、合わない仕事かどうか客観的に判断してもらうということは非常に大事なことだと認識しましょう。
まとめ
以上、まとめます
- 3ヶ月で退職する理由は多様にある
- 3ヶ月での退職は人生のミスであることを自覚しよう
- 他責から自責への思考の転換、自身の適性やキャパシティを知ることが3ヶ月で退職するした後の転職に必要なこと
- 転職面接を受ける際は、面接先の企業に自身の転職理由を赤裸々に語ることは長期定着する会社を探すうえで大事なこと
長く働きたくない会社で長期就業しようとすることを良いとは思いませんが、それでも3ヶ月で退職することははっきり言ってマイナスです。
しかし、それでも転職はできますし転職した会社で長期的に就労し、活躍する人も数多くいます。
そうなるためには、自己改革と自己開示が必要です。
ちゃんと他責の発想を止め、自身の適性やキャパシティと向き合った仕事選びをして面接で自分が早期退職をした理由さえ明確にすれば、100%ではないにしろ自分にとって良い仕事に出会えます。
早期退職をした自分を責めるのでも、働いた会社のせいにするのでもなく、ちゃんと自分自身を振り返り改善をするということを自分のキャリアから始めてみましょう。
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