クレーム処理が多くて仕事が回らない、そもそもクレーム処理が辛いという人はいませんか?BtoC(対個人ビジネス)でもBtoBビジネス(対法人ビジネス)においてもクレーム処理は仕事をする上で頭を抱えてしまう問題です。
クレーム処理において問題なのは、特定のクレームを受けることにより、他の仕事に着手できないこと、また人格否定をするようなクレームを受けた場合、精神的な苦痛を感じてしまうことです。
かつて筆者は証券会社で働いておりましたが、やはり購入していただいた金融商品の時価が大幅に下がった場合、「これはどういうことなの!?」といったクレームを受けることも少なくありませんでした。
では、どういう場面でクレーム処理を受けるケースが多いのか、クレーム対応が多くて業務遂行上辛い、精神的に辛いと感じている場合どう処理すればいいのかを現役転職エージェント勤務の筆者が解説します。
クレーム対応で頭を悩ませている方に是非読んでいただけたら幸いです。
目次
クレーム処理が想定されるケース

まずは、どのようなケースでクレーム処理が想定されるのかを確認したいと思います。具体的には以下のようなケースでクレーム処理の必要が生じます。
- 商品・サービスの品質
- 態度
- 言いがかり、クレーマー
では、それぞれ詳細を確認します。
商品・サービスの品質
世の中のクレームで一番多い内容は商品・サービスの品質に関するもの、すなわちお金を出しているのに、それ相応の製品・サービスを提供されなかったことによるクレームです。
実際、筆者も証券会社で働いている時、株価が下がった、投資信託の基準価格が下がった際にはちょくちょくクレームの電話をもらっていました。
また、製品力が低いことを理由にクレーム処理に追われ、製品力の高い会社に転職したいというニーズは今も昔も多いです。
製品の品質が悪い、安定したサービスが供給できない会社、業種ではそれだけクレーム対応に追われやすくなります。
態度
商品、サービスが優良なものだとしても、態度が悪いとそれがクレームになることも多いです。
筆者も過去、新規開拓のテレアポをしていたら、他の営業担当と同日にテレアポをしていたらしく、そのテレアポ先からものすごくクレームを受けました。
面倒になったので、適当に対応していたら、その日に録音をした筆者の雑な対応に対して会社にクレームの連絡が入ったことがあります。(そこまでやるの気持ち悪いな、とは思いましたが笑)
気持ちよく商品を購入したい、サービスを受けたいという顧客ニーズが根底にあるため、商品・サービスの品質と同じくらい顧客への態度は大事です。
言いがかり、クレーマー
BtoC(対個人ビジネス)において、もっとも頭を悩ませることは、言いがかりやクレーマーの存在です。
適正なサービスを提供していても、気に食わなかったり、お金をだまし取ろうとして言いがかりも甚だしいクレームをつきつけたりする迷惑客です。
ただし、最もタチが悪いのはあからさまな悪意のあるクレームを突き付ける客より、自分が正しいと信じてクレームをつきつける迷惑客です。
あからさまな業務妨害の意図があるクレーム客の場合は刑事事件としても処理できるためいくらでもやりようがあります。
しかし、明らかに無茶苦茶なことを言っているのに自分が正しいという体で延々とクレームをしてくる客は心身共に疲れます。
この自分を正しいと信じている(クソ)クレーマーを上手に処理することこそが、精神を病まず、仕事を順調に進めるためのクレーム処理の肝です。
心を病まないクレーム処理のコツ3選
では、心を病まないクレーム処理のコツを解説していきます。
顧客対応マニュアルがあればそれを熟読する
クレームが多い業種の顧客対応に関しては、多くの会社でマニュアルが備わっています。そのマニュアルをまずは熟読しておきましょう。
マニュアルがしっかり備わっていない会社であればやむを得ませんが、マニュアルというのは基本的な考え方、過去の経験則などが詰まっています。
マニュアルを読み込むことは面倒ですし、マニュアルというと画一的な対応のイメージがありあまり良いものだと思わない方も多いかもしれませんが、マニュアルを知らないない人間というのは基本ができていないというのと同じです。
辛い、辞めたいと思ってしまう前に、自分を守るための会社マニュアルを叩きこみ、基本行動を頭と体にしみこませましょう。
落ち着いて冷静に話を聞く
クレーム客の中で厄介なのは、冷静さを欠いているケースです。冷静さを欠いている人に対し、自分がケンカ腰であったり、精神的に負けていたりするようでは上手に対応できません。
無茶苦茶なクレームが来ることをあらかじめ頭に入れておき、実際そのような激高したクレーマーからクレームが来たら、まずは冷静に状況確認をしましょう。
クレーマー客は大きく以下3点のタイプに分かれます。
- 正当に品質、サービスに関しての不満を伝える
- ストレスを発散させたい
- 自分の要求を飲ませたい
冷静に話を聞き、クレーム客の伝えたいことをきっちり認識し、自社の品質・サービスに問題がある場合は、上司に相談の上、補償をすることになるでしょう。
また、ストレスを発散させたいタイプのクレーム客は、ある程度話を聞いておけば大抵の場合留飲を下げます。
また、自分の要求を飲ませたいだけの不当なクレーム客に関しても、対応は社内で協議するとして、相手が何を言いたいのか理解することができますし、正確に理解することで不当な要求か、そうじゃないのかも冷静に判断できます。
クレームは自身で解決できません。会社からクレーム対応を求められる場合、会社が自身に求めることは、事実確認と要求内容です。
以下のことさえはっきり分かっていればOKなのです。
- 購入した商品・サービス
- 発生した事実
- いつ発生したことか
- 顧客の要求
顧客はクレームの連絡を興奮状態で伝え、何とかして欲しいと強く依頼をしてくるケースがあり、事実が良く分からなくなります。
自身の精神状態が下がっているとただひたすら謝って、事実がはっきりしないまま自社の非を勝手に認めてしまうケースもあります。
しかし、事実がはっきりしない以上、こちらの非なのか顧客の過失なのかがはっきりしません。クレーム対応で重要なのは1にも2にも事実確認です。ちゃんとコミュニケーションを取り、事実を明確にするということに注力をしましょう。
コミュニケーションスキルに関しては以下の記事を参考にしてください。
自力で解決しようとしない
クレームが発生し、補償が必要になった場合、その補償をするのは自分ではなく会社です。つまり、会社の決定をもって補償する、しない、またその補償内容が決定します。
そのため、顧客からクレームを受けた場合は、上述でお伝えしたように解決するのではなく、事実を正確に確認することを徹底しましょう。
裏を返せば、事実を正確に確認すれば、あとの対応を判断するのは会社なので、上司に事実を報告して判断を待ちましょう。
自分が処理できないレベルの問題になってしまえば、後の対応を上司に依頼して解決するケースもあります。実際、筆者も色々なトラブルを最終的には上司に処理してもらっています。
そもそもクレーム対応は、根本的にはマネージャークラス以上の権限がないので解決できないものだと思ってください。
クレーム処理で心が病んでしまう人は、自分が悪いことをしてしまったような錯覚に陥るし、負の感情を突き付けられるとそれだけで心が辛くなる、もしくはクレームを処理できなくて辛くなるということが考えられます。
しかし、クレーム処理をする人の仕事は、事実確認をして、顧客が何を要求しているのかを確認するのが仕事です。自分は何も悪くないのでただ、顧客が何を伝えたいのかを正確に把握することだけ考えていればいいのです。
自分のミッションまたは事態を正確に把握し、顧客の要求に関しては、会社が決めたこと、自分には関係ないくらいの割りきりをもって顧客と会社との間を繋げましょう。
まとめ
以上、まとめます。
- クレームには正当なものと、そうでないものがある
- クレーム処理は、処理の基本的な方法を熟知し、とにかく顧客が何を伝えたいのかだけを正確に知る
- クレームを解決することは自分の仕事ではない。クレームを正確に把握し、会社に判断をゆだねるのが仕事
クレームを多く要求されると、精神的に圧迫されますし、仕事が進みません。クレームを言われ続けると、なんだか自分が批判されたような感覚にも陥ります。
ただ、クレームを処理するというミッションは、顧客が何に怒っていて、何を求めているのかを会社に伝達し、会社の判断してもらうことが仕事です。
もしかして、自分のミスで顧客を怒らせたのかもしれませんが、顧客に怒られることなんてものは客商売をしている以上、よくあることです。気にしないで事実と要求を確認することに徹しましょう。
上手く処理できるようになれば、心が病むことはありません。上手なクレーム処理のやり方をしっかり身につけましょう。
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