特に若い方に見られる傾向ですが、指示された仕事をすぐに忘れてしまったり,うっかりミスやイージーミスを繰り返したりしていませんか?
こういったミスは自分の能力が足りないわけでも体調が悪いから起きるわけでもありません。業務管理が下手だから起きてしまうのです。
では、仕事を忘れたり、単純なミスを繰り返してしまったりするのはなぜなのか、またどのように対策していけばよいのかを現役転職エージェントの筆者が解説していきたいと思います。
目次
なぜ仕事の指示を忘れるといったミスをしてしまうのか

では、まず仕事の指示を忘れるといったうっかりミスが起きてしまう背景・理由についてお伝えしていきます。
指示された仕事を忘れる背景はワーキングメモリーにあり
ワーキングメモリーという言葉に聞き馴染みのない方も多いと思いますが、日本語に訳すと作業記憶というもので、一時的に情報をストックしておくための人間の脳に備わったシステムのことを指します。
このワーキングメモリーは本当に短時間しか機能しなくて、新しい情報が入ってきたら今まで残っていた情報はすぐに上書きされて消えてしまうような仕組みになっているのです。
仕事をど忘れしている人の大半は、ワーキングメモリーという脳のメカニズムを知らず、自分の記憶力に頼って仕事をしているからだと言っていいでしょう。
業務の本質を理解できていない、指示の内容を脳で処理できていない
指示されたことをちゃんとメモを取り仕事をしている人でも、必要な作業が抜けていたり、認識違いなどにより、上司に依頼された通りの仕事ができていないケースはよく見られます。
では、なぜそのようなことが起きるかというと、全て指示された内容をそのままメモ等で記録しているからです。
指示された業務に対して、なぜその業務をやるのか、その業務を成立させるためには何が必要なのかということを脳内で認識できていないと、必要な業務が網羅できなくなります。
結果、指示された業務はやってみたけど、必要なことが抜けている、指示した内容と違うものが出来上がったといった致命的なミスを引き起こしてしまうのです。
タスク管理ができていない
仕事はタスク(作業)の集合体だというイメージってありますか?
少なくとも若いころの筆者にはなかった考え方ですが、何か業務を対応しろと言われた時、その指示にはいくつかの業務が内包されているケースが一般的です。
例えば、筆者の仕事において「面接の調整」という業務を行うとなった場合、以下の作業が発生します。
- 転職希望者の面接可能スケジュールの確認(メールor電話)
- 企業側の面接可能スケジュールの確認(メールor電話)
- 転職希望者への最終確認(メール)
- 企業側への最終報告(メール&電話)
そして、これを期限内に確実にやらなければならないため、進め方をうまく考えないといけないですし、この業務が1つでも抜けていると面接の調整を確実にできなくなるため、採用企業、もしくは転職希望者に迷惑をかけます。
このように一言でまとめられる仕事には、その中にはいくつかの作業が内包されています。それを正確に把握し確実に全て時間内に処理することが仕事では求められます。
その仕事を確実に処理するための作業を全て洗い出し、ベストな進め方を考えたうえで実行し、進捗を確認するのがタスク管理で、タスク管理がちゃんとできていないことでミスが量産されてしまうケースが多いのです。
仕事を忘れるといううっかりミス、イージーミスをなくすためにやってほしい4つの対策

では、仕事を忘れると言ったうっかりミスをなくすためにどうすればいいのかを説明します。
メモは欠かさない
上司や顧客から指示や依頼ををもらうときはワーキングメモリーに頼らずメモを取る習慣をつけてください。(仕事のイロハです!)
もし、メモを取れない場合は、すぐ自席に戻って覚えていることを書き出す、スマホに記録するなど指示内容を忘れないような工夫をしましょう。
仕事を忘れるというミスは絶対やってはいけないので、依頼された仕事は記録するということを徹底することが大事です。
情報処理のやり方を学ぶ
上司から指示を受けたときは、ただメモを取るだけではなく、以下のような形で情報整理をしましょう。
- ミッションは何か、自分は何をしなければならないのか
- 業務の最終目的(ゴール)は何か
- ミッションを果たすためのタスクは何か
とにかく上司等の指示者が言っていることを余すことなくメモを取っている人がいますが、あとで読み返すと上司が何をしてほしいのかをよく分かっていないケースが往々にしてあります。(少なくとも筆者はそうでした)
自分のミッション、業務の最終目的、やらなければならないタスクは何かを整理をしながら、指示者の言いたいことを頭の中で処理して、必要なポイントだけメモを取るという訓練をしていきましょう。
自分の理解は正しいのか確認をする
指示を聞き終わったら、自分の理解したことを指示者に確認をするというのが大事です。
この時ポイントなのは、指示者の使った言葉を使わずに言い換えをして確認をすることです。言い換えられるということは相手の話した言葉の真意を理解できているということになります。
余談ですが、筆者は転職面談を行い、転職希望者の転職理由や業務内容を確認する際、話していただいた内容を全て言い換えて確認をします。
これをやることで、転職希望者は自分のことを理解してくれて嬉しいと感じるみたいで、話がスムーズになりますし関係性も良くなります。
上司においてもちゃんと自分が伝えたことを部下が理解してくれて嬉しい、認識が相違しているなら修正しなければならないという考えになるため、仕事がスムーズに進むようになります。
この言い換えのオウム返しはカウンセリングでよく使われる手法なのですが、仕事の認識合わせにおいても非常に効果を発揮するやり方であると言えます。
ミッションをタスク(作業)に分解し、やるべきことを明確にする
自分のミッションを認識したら、そのミッションを果たすために、どんな作業をして、どんな順番で作業を処理していくのかを考えていく必要があります。
この時大事なことは、2つあります。
1つめは、ミッションを行う上でのタスク(作業)は「漏れなく、ダブりなく」洗い出すこと、もう1つは、タスクを全て分解して、やる順番を決定したら、上司に「こんな流れで作業を進めていきます」と一度承認を取ることです。
そのうえで、タスク進捗に関する承認を取れたらどの段階で進捗報告をするのかのタイミングを決めるとさらに良いでしょう。
そんなに複雑なミッションでない限り、ここまでやる必要はないのでしょうが、このような作業工程は覚えていた方が良いです。
うっかりミス、イージーミスは自分の仕事をちゃんと管理ができていないこと、すなわちタスク管理ができていないことが原因で発生します。
自分のミッション、またその下流にあるタスクを管理するために必要なことはすべてやって頂きたいと思います。
まとめ
以上、まとめます
- 指示された仕事をど忘れするのはワーキングメモリーに頼っていることが原因
- 仕事でミスをしてしまうのは業務の本質の理解とタスク管理が十分でないことが原因
- メモを取ることは仕事のイロハで、ただ漠然とメモを取るのではなく、情報を整理しながらメモを取ることで仕事のど忘れなどのミスを減らせる
- 指示の正確な確認とタスク管理をすることで仕事を確実に進められ、ミスが無くなる
仕事をど忘れしたり、仕事の認識相違を起こしたりいったうっかりミス、イージーミスが起きてしまうのは、ちゃんと自身が仕事を管理できていないからに他なりません。
筆者もタスク管理といった業務管理のやり方を知るまでは、目も当てられないようなくだらないミスを連発していました。
しかし、裏を返せば、情報処理の仕方やタスク管理の方法を覚えるだけで、ミスが無くなり、業務の質が向上しました。
最初はうまくいかないかもしれませんが、慣れたらそんなに難しいことではありません。是非これを機に、情報処理とタスク管理という考え方を知ってください。
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