仕事選びにおいて、好きなことを仕事にすべきか、得意なことを仕事にすべきかという議論については得意なことを仕事にしてくださいという記事を作成しました。
その記事についてはこちらです。
しかし、いろいろ勉強をする中で、好きなことと得意なことを考える前に考えないといけないことがあるということを学びました。
本編では、仕事選びに当たって好きなこと、得意なことを考える前に考えて欲しいことと、好きな仕事を考える上で必要なプロセスを解説します。
目次
好きなことを仕事にしている割合は4割、しかしその実は・・・?

好きなことを仕事にしたいという人が多いでしょう。では、実際に好きなことを仕事にしている人はどれくらいいるのかを2014年にマイナビ社が調査したことがあります。
すると、好きなことを仕事にしている人は約4割という結果が出たそうです。そのコメントを見ると、以下のような内容がありました。
- ずっとやりたかった仕事だった
- 天職だと思っている
- 転職して自分に合う仕事に出会えた
- 実際やってみたらおもしろかった
- 自分の性に合っている
ここで重要なことは、好きなことを仕事にしている人は、働く前からやりたい仕事が決まっていた人もいますが必ずしも最初からみんなやりたいと思っていたわけではなく、やってみたら面白かったというケースがあるのです。
このコメントだけ見ても、やりたい仕事ができている人は最初からやりたいと思ってはじめた仕事ではないということを認識して頂きたいと同時に、実際に仕事をしたら面白いと感じることが多いということです。
必ずしも「好き」を仕事にする必要はないということが分かります。
得意なだけでは仕事としての情熱が維持できない可能性がある

じゃあ、仕事は得意なことから選べばいいのかということになりますが、これは6~7割方正解だと考えています。
ビジネスは、クライアントや消費者の悩みや課題を解決して、その対価としてお金をもらいます。悩みや課題を解決するためには、それに必要な技能や知識の習得が必要になるのでただ好きなだけではなく、「できる」ことが必要です。
しかし、ただ「できる」だけではダメです。仕事を継続するためには高いモチベーションを維持したうえで取り組む必要があります。
以下の記事で、仕事をやる目的の1つとして「自己実現」だとお伝えしました。
働くということは、自分がこうありたいという理想像を見つけ、その理想像にあった働き方をすることが長期的に高いモチベーションをもって働くことに繋がるのです。
得意なことを仕事にすることで、世の中や会社に認められ活躍し、自分の天職だと感じることができます。しかし、自分の理想像とかけ離れてくることで「これでいいんだっけ?」と思うようになります。
実際、筆者は新卒の際は証券会社で働き、一度は営業が合わなくて休職しましたが、最終的に一番自分に合う仕事は「営業」だという結論が出ました。
確かに証券会社で働くことで営業は合うと思いましたし、証券営業で少しずつですが売り上げを出せるようになりました。しかし、私は証券会社の営業をしたくないと思いました。
その理由は、以下の通りです。
- 車の運転が苦手
- 証券営業の細かいルールが面倒
- 転勤族が嫌だ
- 株や投資信託は好きだが証券会社で販売推奨される金融商品がいいものだと思えない
苦手なこと、嫌なこともありますが自分の信念に合わないことを仕事にしたくないことも転職要因になっています。筆者の転職にもしっかり信念や価値観が関わっていることが分かります。
就活でも転職でも「信念」や「価値観」ということは意外と見落としているポイントですが、筆者のこれまでの経験を考えてもこれらは重要だと感じています。
仕事選びに必要な4プロセス
上述でお伝えしたように得意なことと好きなこと以外に「信念」や「価値観」が仕事選びにおいて重要だとお伝えしましたが、どうやって仕事選びをすればいいのかを解説します。
自分の価値観や信念を知る
多分大半の人は思いつくのが難しいと感じるかもしれませんが、大抵の方はあります。それが無意識すぎるのでパッと思い出さないだけです。
では、どうやって思い出せばいいのかというと以下の3つを考えてみてください。
- ①:自分が尊敬する人/好きな有名人(漫画のキャラOK)
- ②:自分の人生にとって印象的な出来事
- ③:人からどういう風に見られているか
これを筆者が回答したら、以下の回答になりました。
- ①:橋下徹、林修、オリラジ中田敦彦
- ②:高校で野球部を選ばず陸上部の入部を決めたこと
- ③:なんか一見明るいけど闇の部分が結構あるし、そういうの敏感そうだから人の気持ちとか扱う仕事が向いてそう、論理的・合理的
書いてて結構はずかしいですね笑
これを見ると、分かったことがあります。それは知に対する興味が異常で、知識のある人でかつ面白い人が好きなんだな(そして割と独善的)ということが分かり、自分も同じことを大事にしていることが分かります。
加えて、自分が0ベースで考えていることを実現したい、発言したい人たちでもあることも共通点です。そのため、形あるものを提案したいというより、自分の考えたこと、知を提案したいという点から、無形商材の営業向きであることも分かります。
また、集団プレイより、個人プレイが圧倒的に向いていて人材業界向きの考え方をしていることが分かります。そこまで考えてなかったように思いますが、今の仕事が価値観・信念を照らし合わしても適職なんだなあと少し笑いました。
得意なことを考える
得意なことなんかない・・・と思うかもしれませんが、普通にあります!
ではどういう観点で得意なことを考えてもらえたらいいのかというと、以下の通りです。
- ①:自分が充実していたこと・成果
- ②:できていない人を見てイラっとしたこと
筆者の回答は以下の通りです。
- ①:競馬の分析・予想、塾の講師として生徒の成績アップに貢献できた
- ②:自分で考えることができない、人に何もかもをゆだねようとする人
筆者は考えることが好きで、得意であるということ、また論理立てて整理し、面白おかしく話す能力があるということがここから分かります。(大学時代は決して得意だとは思っていませんでしたが。)
また、得意なことに関しては、周囲に聞いみるのも良いです。
ここから転じても、営業とかマーケティングとかそういう適性があるのではないかということが読み取れます。
嫌いなことを考える
好きなことはその時々で変わります。しかし、嫌いなことは半永久的に継続します。
女性に「何食べたい?」と聞くと割と何でもいいと言われますが、「何が嫌い?」と聞くと気持ち良いくらい即答をもらえます。だったら、嫌いなことから考えましょう。
筆者が嫌いなことは以下の通りです。
- 車の運転
- 細かいルール
- 手作業
- 土日休めないこと(競馬がしたい)
- 団体行動・チームプレイ
- 仕事の飲み会(お酒は好き)
仕事の飲み会は不可避かもしれませんが、他に関しては避けたうえで仕事を選ぶことができますね。
営業職をやることを前提に、嫌いなものを除外して自分の価値観・能力に会う仕事を選ぶ
文系の大学生の就職の際、基本的には営業とか対顧客の職種に配属されるケースが多いです。そのため、最初に営業をやることを考えて仕事探しをしましょう。
そのうえで、以下の順序で適職を考えるといいです。
- 嫌いなことを除外
- 得意なことが生かせる仕事をピックアップ
- 自分の価値観に合う仕事を選ぶ
これでたくさんある職種の中から、自分の能力を生かせ、かつ自身の仕事の価値観に合致した仕事を見つけることが可能になるのです。
まとめ
以上、まとめます
- 好きを仕事にしようとしない、後から好きになることがある
- 仕事の価値観は長期的に仕事をする上で欠かせないポイント、自分の価値観を理解する
- 仕事はクライアントや消費者の課題を解決するのは技能と知識が必要なので得意なものを選ぶのが良い
- 好きなことより嫌いなものにフォーカスする
- 嫌いなものを除外した後、得意なことを生かせる仕事でかつ自分の価値観に合致する仕事を選ぶと長期的に活躍できる
色々勉強する中で、価値観という概念について筆者は気が付いていなかったように思いましたので、「価値観」、「信念」にフォーカスしながら適職探しの考え方について解説をしました。
好きなこと、得意なことという考え方は非常に大事だと思います。筆者は、得意なことにフォーカスして欲しいという立場を取っていますが、プラスアルファで「価値観」にも目を向けていただけたら幸いです。
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