世の中では、就職・転職偏差値や就職・転職ランキングというものがはびこっています。何だか偏差値やランキングだと言われると、自分がどこに位置するのが非常に気になってしまうものです。
実際、筆者も就活の時は中途半端に学歴がある(MARCH 関関同立クラス)ため、結構注目してみていました。
しかし、30代となり、転職エージェントで働いてみて、いかにこの就職・転職偏差値やランキングがくだらないということが分かりました。
ではなぜ筆者が転職偏差値やランキングが不要、無意味言い切る理由を現役転職エージェントという立場から解説したいと思います。
目次
転職偏差値 ランキングの成り立ち

就職偏差値・ランキングがどういう成り立ちでできたのかご存じですか?
実は、就職偏差値・ランキングが生まれたのはインターネット掲示板の2ちゃんねるの就職板から生まれています。
匿名で色んな人が、この会社のランキングが高い、低いだの適当に言った結果、2ちゃんねるの「就職偏差値ランキング委員会」というよく分からない人たちが順位付けしたものが就職偏差値・ランキングだと考えてください。
ただ、何となくノリで決めているわけではなく、就職ランキングに関しては、2チャンネルの住人が以下のことをベースに考えていると言われています。
- 学歴レベル
- 求人倍率
- 企業の知名度・人気
- スキル・経験
ちなみに、直近の就職偏差値のトップは以下の通りだとされています。
- 70:日本銀行
- 69:国際協力銀行 三菱総研
- 68:日本政策投資銀行 フジテレビ 三井不動産 三菱地所
- 67:東証 三菱商事 日テレ 三大出版
- 66:三井物産 日本郵船 NHK TBS テレ朝 電通
- 65:住友商事 伊藤忠商事 JR東海 博報堂 トヨタ 商船三井 テレ東
何だか、特定の業種に集中しているような気がしないでもないですが、なんとなく理解ができるランキングかもしれませんね。
ちなみにブラック企業偏差値ランキングを目にしたことがあるかもしれませんが、あれも2ちゃんねるが発祥です。
筆者はブラック企業偏差値64の会社に3年間在籍しましたが・・・なるほどなという感じはありました。また、証券会社の営業もブラック偏差値71とブラック企業の方に縁がありました。(大変でしたが普通に働けました笑)
少し話がそれましたが、就職偏差値・ランキングもブラックランキングも共通していることは客観的に見てまんざら嘘じゃないけど、信ぴょう性があるのかどうかは疑わしいと考えてください。
転職ランキングや偏差値を診断するのが無駄な3つの理由

転職ランキングや偏差値はもっともらしいと思う反面、何だか疑わしい部分もあるのだなということはご理解いただけたのではないかと思います。
本章では、転職ランキングや偏差値を診断することが無駄な理由についてさらに言及したいと思います。
基準が良く分からない
偏差値とは、偏差値50を基準として、自身の得点、スコアが全体平均と比較してどのくらい差があるかを数値化したものです。
就職偏差値・ランキングの場合、おそらく、偏差値50が普通の企業で、偏差値40が平均レベルより低く、偏差値60が平均レベルより高いということなのでしょうが、その平均とはいったい何の数値なのかが明確でない点に疑問を感じます。
大学偏差値であれば、河合塾や進研模試などの模試結果と過去の模試受験者データを比較して算出されるので信ぴょう性がありますが、人気がある、大学の偏差値が高い人が多いから高偏差値企業だというのは少し無理があります。
社会人の評価基準は技能とお金
社会人は何のために働いているのかというと、これも色々な議論がありますが、最も多くの人が答える回答は「お金」でしょう。
我々社会人は、営業職であればどれだけ多くのお金を稼いだか、事務職なら多くの事務処理をミスなく処理していた人が評価されます。
しかし、この就職偏差値に関しては、どれだけ稼げるのか、また個人の能力とかそういったものは反映されていません。(あえていうなら潜在能力はあるかもしれませんが、その具体的な数値がある訳ではないです。)
少なくとも、この就職偏差値の上位にある会社に就職しているからずっと安泰で働けるとは言えません。
仮に優良企業で働いていても組織の下に埋もれてしまえば収入は稼げなくなりますし、稼げていても企業の業績が悪ければリストラ対象になります。
この就職・転職偏差値、ランキングに捕らわれず、自分の能力が生かせる仕事、会社で成果を上げた人間が評価され、多くのお金をもらえ、満足感のある働き方ができます。この偏差値・ランキングに捕らわれること自体が不毛なのです。
世の中で求められる人材ニーズ=就職偏差値上位の企業の人材ではない
もちろん全員に当てはまる話ではないのですが、就職偏差値上位の企業で働いている人というのは、転職市場に身を置くと、恐ろしいくらい評価が低いということが多くあります。
なぜ、そのような状況になるのかというと、以下の要因が挙げられます。
- 大企業にいると、業務が縦割りになり、業務のカバー範囲が狭くなる
- 大きな会社にいると、仕事の出来、不出来に関わらず一定のお金をもらえる
- 仕事ができなくても、会社のブランドがあれば成果が出やすい
筆者は昔、大手証券会社で営業と企画の仕事をしていました。しかし、営業としても企画としてもどうしょうもないダメ社員でした。
しかし、そんなダメ社員でも、年収500~600万円という収入を20代で貰えていました。会社の状況さえよければ、どんな無能でも世間の平均以上に収入を得られていたのです。
また、筆者は転職面談をすると、大手企業経験者とたまに面談をすることがありますが、そんなに大したことがない業務経験しかないのに、年収はやたらと高いし、プライドがさらに高い人が多かったという経験があります。
大手企業で働いている人を否定する気も、無能だという気もありませんが、大手の環境にいることでその人のビジネス能力を下げている可能性があるとも考えられます。
しかし、元々は優秀な人が評価され、その会社に入社していると考えれば、就職・転職ランキング上位の企業に居ることで温室栽培に慣れてしまい、ビジネス力が十分醸成されていない可能性があります。
就職・転職偏差値、ランキングよりどれだけ社会人として能力を醸成し、実績を出してきたことほうが重要なのです。
仕事能力を上げる習慣に関しては、以下を参考にしてください。
年収1000万円稼いだ私がおすすめする仕事上がり後の5つの習慣
まとめ
以上、まとめます。
- 就職・転職偏差値、ランキングは2chで何となく議論された内容を、入社者の偏差値や企業の人気などを元に構成された根拠に乏しい指標
- ただし、就職・転職偏差値、ランキングの上位企業などを見ると何となく理解はできる
- 就職・転職偏差値、ランキングには能力、成果が反映されていないし、下手したらランキング上位の会社は良い会社かもしれないが、そこに在籍することでビジネス能力が低い人になっている可能性がある
- 就職・転職偏差値、ランキングより実務能力を醸成する方が大事
大手企業、とくに就職・転職偏差値、ランキング上位の企業に在籍している人にとって気分を害す可能性のある内容になっていることは予め謝罪をしますが、転職エージェントして感じていることをそのまま書かせていただきました。
確かに就職・偏差値偏差値、ランキング上位の企業というのは、素晴らしい企業ですし、そこに入社できたことは自慢できることかもしれません。
しかし、社会人の評価は能力と成果で決まります。就職・転職偏差値、ランキングなんて社会人で成果を出している人は誰も気にしていません。
筆者も昔はこういったランキングについて非常に気にしていましたし、ランキング上位の会社で働きたいと思っていました。
しかし、社員数10000人の大手企業や社員数1000人以上の業界大手企業など4社を経験して、一番楽しく、成果を出せている会社というのは今在籍しているたった30人しか在籍していない無名の中小企業です。
いかにこんな世俗的なランキングに捕らわれていたのが無駄なことだったのだなと思いました。
大手・人気企業で働くことは悪いことでも何でもないですし、大企業にいたからよかった、学べたことももちろんあります。ランキングなんて気にせず、自分が働きやすく成果の出しやすい会社か、それだけ考えればOKです。
良い仕事をして、良い評価をもらえることだけ考えて仕事先を選び、働きましょう。
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