残業は何時間以上が違法?転職エージェントが解説する残業の基本知識

働き方改革が施行されて以降、これまで以上に残業規制がなされるようになりました。しかし、働き方改革によって残業時間がどう制限されるようになったのかよく分からないという方はいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本編は働き方改革により残業時間がどのような上限が設定されるようになったのか、残業が減る時代をどのように生き抜かなければならないのかを現役転職エージェント勤務の筆者が解説をいたします。

残業に関する労働法規は労働者にとって非常に重要な知識です。本編をご一読頂き、今の残業に関する労働法規がどうなっているのかしっかりご理解いただけたら幸いです。

働き方改革以前の労働基準法は青天井で残業が可能な立て付けだった

労働基準法には労働者は1日40時間以内、労使間の合意があれば月間45時間まで残業が可能であるというのが従来の労働基準法からあった立て付けでした。

しかし、現実問題として月間45時間以上の残業はあらゆる会社で合法的に発生していました。

なぜなら、月間45時間以上の残業に関しても労使間の合意があれば延長が可能で、合意後の残業上限が設定されていなかったからです。そのため、当たり前のように45時間以上の残業がまかり通っていました。

このように、働き方改革以前の労働基準法は、事実上青天井で残業できるような仕組みになっていたのです。

月間残業150時間の過労死や自殺する労働者が散見されていた

働き方改革以前でしばしば問題視されていたのは、過重労働による過労死と自殺です。実際2017年にはNHK職員が150時間以上の残業が常態化していて過労死したという事例がありました。

また、100時間以上の残業が常態化して自殺に追い込まれたケースもあります。

働き方改革は、少子高齢化が進む日本国内で労働力を最大化させて労働生産性を上げるための方策です。働き方改革を進めるにあたって女性や高齢者の労働力の有効活用をさせる必要があると政府は判断しました。

政府は、過重残業に伴う過労死や自殺は働き方改革の方針に反する国内の労働力を減らす元凶だと考え、働き方改革を機にこれまで常態化していた青天井の残業を無くすようシフトチェンジしたのです。

働き方改革で年間360時間を超える残業は違法になった

では、働き方改革によって労働基準法がどのように変わったのかというと、一番大きな変化は年間360時間を超える残業というのは例外なく違法となったことです。

これは上述でもお伝えしたように、月間45時間の残業というのが上限だというルールが合ったものの、実際は残業の上限はあってないようなものでした。

しかし、今回の働き方改革によって年間の残業時間には明確な上限ができたということは過重労働による自殺や過労死の一定の抑止力ができることになります。

また、月間の残業時間に関しても以下のように制限が加わりました。

  • いかなる理由があっても100時間を超える残業は違法
  • 労使間の合意を前提に100時間の残業は1か月迄
  • 2~6か月の休日出勤と残業時間の合計が80時間以内
  • 時間外労働が月45時間を超えることができるのは、年6か月が限度

まだまだ十分な残業規制であるとは言えませんが、年間360時間以上、月間100時間を超える残業に関しては間違いなく規制され、150時間残業で過労死という事件が起きないような法整備がなされていると言えます。

残業を減らす方法については、以下記事を参考にしてください。

残業時間は良くて月20時間程度、残業代で生活する働き方が実現できなくなった

働き方改革によって各企業は従業員に残業をさせないような取り組みをするようになりました。

実際、筆者が面談した転職希望者から「残業は月5時間まで、他は一切認めない」という通達を当時の在籍企業からさせられて年収が120万円下がったという事例を聞いています。

他にも、残業代は月20時間までしかつけられない、後はサービス残業をさせられているというお話もありました。

つまり、働き方改革を契機に企業は一斉に残業について厳しく管理をするようになりこれまで当たり前のようにできていた残業ができなくなっているという事象があらゆる企業で起きています。

同時に、残業代で生活費を稼ぐいわゆる「生活残業」は働き方改革を契機に少なくなっています。多くの企業では残業の実態はともかくとして月20時間程度しかつけられないような会社が増えているように感じます。

結果、残業代を取り戻すための転職などもこの時期からちらほら見られるようになりました。

生活残業については、以下の記事でも取り上げています。

年収を戻したいのならやれることは3つ

では、働き方改革で減った年収を取り戻すために何ができるのかというと、以下の3点が挙げられます。

転職

残業代で稼いできた年収を完全に戻せないかもしれませんが、ある程度年収を戻すための方法の1つとして転職は考えられる方策の1つです。いたずらに年収を上げる人は採用側から嫌われますので期待しすぎないことが重要です。

副業

副業も年収を回復させるための1つの手段です。もちろん良い副業を探すのは至難の業ですし、自分が希望した通りの年収を副業で補えるとは言いません。

ただし、副業によってある程度回復させることができるのも事実ですし、副業をすることで新たに身に着けられる知識や経験があることも事実です。

実際、筆者も転職エージェントという仕事をしながらこのように記事を作成する副業を行い収入の補填をするとともにライティングの能力やwebマーケティングの知識・経験を積んでいます。

そして、今ライティングの能力やwebマーケティングの能力は少しずつですが本業でも行かされています。

長い目で見れば、副業は自身の仕事をブラッシュアップさせるための方法の1つであるとも言えます。

本業の能力を伸ばす

少し時間がかかってしまうかもしれませんが、最終的に自分の年収を稼ぐために必要なのは本業の能力を上げることです。

年収を上げることばかり考えていて仕事の能力のことを考えないのは非常にお粗末な話ですが、転職面談をしているとそういう自己能力を上げずに年収アップばかりを考えている人が多いように感じます。

年収を上げるためには1にも2にも仕事の技能を上げること、そのために目先の利益を稼ぐための副業を行い、自身の中で技能を向上させた状態で転職に踏み切るということの方が良いです。

仕事の能力アップに関しては以下の記事を参考にしてください。

まとめ

以上、まとめます。

  • 働き方改革で残業の上限が決められるようになり、150時間残業という過激な残業ができなくなった(MAX月間100時間迄、1か月のみ)
  • 同時に生活残業も厳しくなり、多くても月20時間程度の残業に留まる会社が増えてきた
  • 残業代カットの年収を転職では取り戻せないが、仕事能力を向上させたうえでの転職なら取り戻すことができる
  • 目先のお金を稼ぐための副業が結果として自身のスキルアップにつながるケースもある

一昔前は「24時間働けますか?」というキャッチコピーのCMがあったように労働時間をかければかけただけ成果が出てくるような時代背景でした。しかし、バブル崩壊とともにその労働モデルでは成果が出せなくなりました。

働き方改革はその時代の流れの中で生まれたものなのです。残業代で収入が減ったと嘆いている人もいるかもしれません。しかし、残業代で稼げたという状況そのものが異常であり働き方改革で正常な働き方になったとも言えます。

24時間働けますか?の時代ではなく「8時間で成果が出せますか?」の世の中に突入してきているのです。時代の状況を理解し、その中で効率的に働き稼げる人になることを目指していただきたいです。

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ABOUTこの記事をかいた人

関西学院大学卒業、1社目では大手証券会社に勤務  ・8か月でメンタルをやられ休職。 ・証券会社時代はお荷物社員として最低評価を受ける。「こんなひどい評価の奴初めて見た」とまで言われた。 以降、人材ベンチャー、大手転職エージェントに勤務し、2度の戦力外通告を受ける。 現職では、中小の転職エージェントでキャリアアドバイザー兼法人営業で2年連続で社内2位の売り上げを達成。前職退職時の年収450万円→2019年の年収は約1000万円 税金の支払いに苦労してます笑 【人物像】 ・ただの酒好き ・論理・理屈で物を考える 【記事の基本方針】 私のような最強のダメ人間でも、思考力、実力、環境を整備すれば それ相応の成果を出せるということを表現できればいいと思っています。 よろしくお願いします。