残業50時間って多い?残業時間が増えることで起きる生活の変化

正社員として働くなかで、残業をするということはそんなに珍しいことではないでしょう。

とはいえ、1か月にどれだけ残業するのが普通なのかといった残業時間の相場感はなかなか分かりにくいものです。

そこで本編では、残業時間50時間という数値を基準に、世の中ではどれくらい残業をするのが一般的なのか、もし50時間残業をした場合、どのような生活になるのかというシミュレーションをして残業が増えた場合の生活をイメージしてもらえたらと思います。

残業が多いと悩んでいる方、転職経験がなく世の中ではどれくらい残業するのが当たり前なのかを知りたい方に是非読んでいただけたらと思います。

残業時間の相場は?残業に関する法律と平均残業時間

残業50時間というのは、結論から言えば多めです。

実際、大手転職サイトdodaが2019年に行った調査では、平均残業時間は25時間程度という結果が出ています。

もちろん業種によって平均残業時間は異なるのですが、一般的な感覚からすれば50時間の残業時間というのは多すぎると思ってください。

また、法的な観点からみても50時間は多すぎるとみています。

そもそも、労働基準法では1日の労働時間は8時間、1週間の労働時間は40時間と決まっていてそれ以上の労働は原則させてはいけないことになっています。

とはいえ、それで社員が一斉に仕事を終えられたら仕事が立ちいかなくなる可能性もあります。そこで、使用者側への救済措置として、労使間の合意があれば月間45時間まで残業を延長させて良いとしています。

これを36協定といいます。

つまり、お国が残業させていいとしている目安は45時間なので、その基準を超えているという観点でも多すぎる残業時間だと言えます。

ただ、この45時間を超える残業させる場合も労使間の合意が前提になりますが、年間360時間という残業時間の枠の中で最大100時間までは残業させることができるルールがあります。

そのため、50時間という残業時間そのものは当然違法ではありません。

また、月間50時間の残業を1年間させたとしても年間360時間内という枠には入っているので、使用者が労働者に命じても問題のない現実的な残業時間であると言えます。

余談ですが、営業職など外出することが多い職種だと、管理職が管理できない労働時間をみなし残業、すなわち20時間なり30時間なりの残業分を予め基本給に上乗せする給与の支払い方法があります。

筆者が2社目に働いた会社のみなし残業は60時間で、実際は月間100時間いかないくらいは働いてました。

そして、死亡前2〜6ヶ月間の平均残業時間が月80時間超というのは厚生労働省が定めた過労死基準だそうです。

さらに筆者の前職は事業場外みなし労働時間、すなわちずっと外出している営業職とみなされていたため、残業代そのものが出ていませんでした。

この時の残業時間が80時間~90時間でしたので、過労死基準の環境で4年働いていたことになります。今考えるととんでもないですね。

残業時間50時間の場合、残業代をいくらもらえるの?

当たり前のことかもしれませんが、残業をしたら残業代をもらうことができます。では、どれくらい残業代をもらえるのかですが、残業代の計算式は以下の通りとなります。

  • 通常の残業:基礎時給×1.25倍
  • 法定休日の労働:基礎時給×1.35倍
  • 深夜労働:基礎時給×(割増率+0.25倍)

では、実際にどれくらいの残業代をもらえるのか、月給を24万円と仮定して計算をしましょう。(1日の労働時間は8時間と算出します)

まずは基礎時給を算出します。
24万円÷20日(1か月の労働日数)÷8(時間:1日の労働日数)=1500円

つまり、1か月24万円の基本給をもらっている人は、基礎時給が1500円程度ということになります。

もし、深夜残業や休日出勤がない場合で月間50時間の残業をした場合だと
1500×1.25(割増率)×50時間=93750円

つまり、時給が1500円で50時間残業すれば、少なくとも10万円近く稼げるということになります。金銭面に関しては悪くないと言えます。

残業代はもらえない!?残業代に関する一般的なトレンド

確かに上記のように月50時間残業したら、基本給が24万円だったとしても10万円近くのお金を追加で手にすることができますが、そもそも50時間分の残業代をしっかり出してくれる会社はあるのでしょうか。

筆者の感覚では、50時間残業をして、50時間の残業代を払ってくれる会社は希少な存在だと思っています。

どういうことなのかというと、まず筆者が昔在籍した会社の労働契約を例にみて頂きたいです。

年俸:420万円(賞与なし)
月収:35万円(みなし残業60時間込み)

これだけみるとあんまり違和感がないかもしれませんが、これを時給換算してみましょう。基礎時給をXとおいて計算すると以下の通りです。
X×8時間×20日+X×1.25(割増率)×60=1787
もし、残業なしだった場合の月給に換算すると、28万6000円くらい、残業なしの年収は343万円となります。

つまり、みなし残業をあらかじめ付与しておくことで、給与を多少高く見せられるので、少なめの時給にしておいても(東京都なら最低時給が1013円なのでこれを超えておけば)特段問題ないということになります。

ちなみに先ほど月収24万円で基礎時給1500円試算としましたが、仮にこの会社に3か月分の賞与があったとすると、年収は以下の通りになります。

24万円×12(か月)+24万円×3(カ月:賞与)=360万円

筆者が2社目で提示された年収は420万円でしたが、みなし残業を引いたら実質350万円にもなりません。

対して、理論年収360万円という求人は、筆者の420万円の年収と比較してとても良い条件の求人ということになり、これに残業がちゃんと付けば言うことのない優良求人であるということになります。

筆者の経験則上、誰もが見た目の理論年収ばかりに目が行きがちになります。しかし、ちょっと簡単な計算式を年収にひっかけるだけで結構本質的なことが分かってきます。

でも、みなし残業の残業時間を超えたら残業代を支払われるんでしょ?だったらまだいいんじゃない?と思うかもしれません。しかし、みなし残業を設定している会社の大半は、超過残業分を支払わない会社が多いです。

みなし残業は、本来営業のような外出が多くて管理職が労働時間の管理が難しい場合に、想定される平均残業時間を予め給料に内包しておくという制度なのです。

そのため、みなし残業がついている方はいわば「予め残業代付けているからその範囲内で仕事やってね」という制度なのです。

そして、このみなし残業を悪用している会社は多いです。上記で挙げた筆者の会社は、常に管理職の管理の元(週に2~3回外出があるくらい)で筆者はほとんど社内にいました。

実質的な残業は90時間を超えていたものの、残業代を追加で支払われたことは1度もありませんでした。それも自主的に帰宅する権利があるわけではなく、見えない強制力が働いていました。(一説では早く帰ったら給料を下げると言ったとか言わないとか)

あくまでも経験則ですが、心ある会社はそもそも50時間残業をさせないですし、どうしても人員補充が間に合わない場合は一時的に月間50時間の残業を依頼し、最終的にその残業時間を減らすようにします。

恒常的に長時間の残業をさせるような社員を大事にしない、お金がなくて追加で人を雇えない会社が果たして50時間分の残業代を支払うのかというのは個人的には難しいのではないかと思います。

残業時間50時間だと体調は大丈夫?50時間残業した場合の生活シミュレーション

では、1か月に残業50時間したとして、どういった生活になるかをシミュレーションレーションしてみたいと思います。前提として9時-18時 通勤時間1時間と仮定して表すと以下のようになります。

  • 6:30 起床
  • 7:45 出発
  • 8:45 出社
  • 9:00 朝礼
  • 12:00 昼食
  • 18:00 定時終了
  • 20:30 退社
  • 21:30 帰宅
  • 22:00夕食
  • 22:30入浴
  • 23:00晩酌・TVなど自由時間
  • 24:00分~24:30分就寝

月間残業時間50時間だと、1日の平均残業時間は2,5時間です。そのため、18時が定時なら20時半に退社という形になります。
できなくはない生活ですよね。ただ、以下のようなリスクはあります。

太る

会社を出るのが20時半になると、家に帰りつくのは9時を過ぎてしまいます。ここから自炊をするとなると相当手間ですし、仮に自炊をしても食事をする時間が遅くなります。

結果、大抵の方は店屋物やコンビニ弁当のような脂っこいものばかりを食べるのが当たり前の生活になり、食べたものを十分消化しないまま寝ることになるので太る可能性はあります。

筆者は、毎晩夕食を11時半~12時くらいに食べていたので、当時3~5キロ当時くらいは太りました。

疲労とストレスがたまる

平均残業50時間くらいで体調が悪くなるようなことはあまりないでしょう。もちろんたまに風邪をひいたりするかもしれませんが、過労死とかそういうレベル感ではないです。

筆者は20時半に帰れる場合は、「今日は早く帰れる」とガッツポーズしてました。相当会社に毒されていたかが良く分かります。

ただ、平日はほとんどプライベートな時間が取れない計算になります。文字通り会社に行って帰ってくるだけの生活となるので、精神衛生上あまりいいとは言えません。

筆者は上述のように80時間、90時間の残業が当たり前な生活を4年程度経験しましたが、やっぱり残業が多いと疲れますし、ストレスがたまります。結果、労働時間が増えるにつれて飲酒の時間・量が増えました。

私みたいに労働時間が長い人間が必ず飲酒量が増えるかどうかはさておき、やはり離職率はすごかったです。

実際、2社目に在籍した人材系ベンチャーは2か月で中堅社員の位置づけになり、3社目の大手人材系会社では、入社3年で事業部のベテラン的なポジションになりました。

残業時間が増えれば増えるほど体力面でも精神面でもあまりプラスであるとは言えません。

家族と不和になる

人材系は離婚する人間が多いと言われております。これは、人材系に変な人が集まるという人間的な問題と、人材系の人間は長時間労働になりがちで配偶者との不和が発生することに起因するそうです。(昔の上司に教えてもらった話でソースはありません笑)

かくいう私も離婚経験者ですが、離婚前は帰宅が遅いと奥さんからの締め付けは厳しくなります。もちろん配偶者の性格的なところにも左右されますが、よく以下のようなことを言われました。

  • 遊んでるんじゃないの?さっさと帰って家事やってよ
  • 私は仕事と家事やっててあんたは仕事しかやってない
  • それだけ働いて稼ぎが少ないのなんで?仕事できないの?

多分何よりもこれが一番辛かったような気がします。

まとめ

以上まとめます

  • 残業50時間というのは平均よりはるかに多い
  • 残業50時間すれば多くの残業代がもらえる計算
  • ただし残業代をちゃんと払ってくれる会社は少数、みなし残業などでごまかされているケースが見られる
  • 残業50時間は体調を悪くするような労働時間ではないが太る
  • 仕事そのもののストレス、疲労に加え、家庭の不調和を引き起こす可能性がある

筆者の経験から残業50時間で過労死なんてことはほぼあり得ません。しかし、残業により、家庭、自分の時間など犠牲になるものが多いのも確かです。

もし、残業をしないといけない環境であれば体をいたわりつつ無理しないでください。どうしても無理なら転職などで新しい環境探しを始めてみてはいかがでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

関西学院大学卒業、1社目では大手証券会社に勤務  ・8か月でメンタルをやられ休職。 ・証券会社時代はお荷物社員として最低評価を受ける。「こんなひどい評価の奴初めて見た」とまで言われた。 以降、人材ベンチャー、大手転職エージェントに勤務し、2度の戦力外通告を受ける。 現職では、中小の転職エージェントでキャリアアドバイザー兼法人営業で2年連続で社内2位の売り上げを達成。前職退職時の年収450万円→2019年の年収は約1000万円 税金の支払いに苦労してます笑 【人物像】 ・ただの酒好き ・論理・理屈で物を考える 【記事の基本方針】 私のような最強のダメ人間でも、思考力、実力、環境を整備すれば それ相応の成果を出せるということを表現できればいいと思っています。 よろしくお願いします。