残業の強制は拒否できるもの?転職エージェントが教える残業の強制力と残業拒否の方法

働いているうえで残業は切っても切り離せないものです。筆者も過去月間100時間以上の残業を何度も経験しています。

しかし、残業は本来業務時間内に終わらせるもので、必要のない残業をすべきものではないと思っている人はいるのではないでしょうか。

自分の仕事が終っていないのに残業をしないというのはいわば当たり前のことかもしれませんが、必要のない残業を会社から指示された場合はその残業を強制する権利を会社は有しているのでしょうか。

そこで本編は残業の強制力という観点で現役転職エージェント勤務の筆者が解説をいたします。

正社員、パート・派遣社員に関わらず残業に強制力はある

基本的に会社員は会社と労働契約を結んでいます。その労働においては、会社の指示に従うということが大前提のルールです。

そのため、会社から仕事を終わらせるためには残業して欲しいと言われた場合、よほどのことが無い限り残業を断ることは難しいと考えてください。

一般的には採用が決定して労働契約が締結される場合、契約の文言があり、そこには残業が発生した場合は残業をする旨の一言が加えられているのが一般的です。

労働契約で残業をすることも含め合意していた場合に残業をしないという意思表示は労働契約違反となります。以上の点から、残業を会社から指示された場合は残業をしなければならないのです。

労働契約書に嘘の内容が書かれている、法定残業時間を超える場合は話が変わる

ただし、会社から残業の命令を受けたからと言って、全て残業を受け入れなければならないのかというとそういう訳ではありません。では、どういう場合に会社からの残業に対して拒否ができるのかというと以下の通りです。

  • 事前に残業に関する労使間協定が締結されていない
  • 45時間以上の残業をする際の労使間の協定が締結されていない
  • 労働基準法に準じた労働時間が守られていない
  • 必要のない残業と客観的に判断される場合

大前提として、残業に対しては36協定というものがあります。

36協定というのは労働基準法36条に基づく労使間の協定のことで、会社は上述の通り残業を従業員に命じる場合は「残業してもOK」という労使間の合意が形成されている必要があります。

しかも、45時間以上の残業をさせる場合は、改めて労使間の合意を形成されている必要があります。つまり、残業は基本的に労使間の合意と労働基準法で決められた範囲でしか残業を従業員に指示することができないのです。

そのため、従業員は合意していない残業と違法残業に対しては受け入れる必要はありません。

また、必要、不必要を合理的に判断することはできませんが、労働契約の中で定められた以外の業務や明らかに必要のない残業に関しても断ることができるというのが法律的な立場だと認識してください。

労働基準法の残業規定に関しては、以下の記事でご紹介しているのでこちらも参考にしてください。

残業を強制させられない労働者も存在する

また、36協定云々に関わらず、以下のような労働者に関してはいかなる理由があろうと残業を強制させることは労働基準法で認められていません。

  • 体調不良
  • 妊娠中
  • 出産から1年未満の状態
  • 介護や育児が必要

そもそも上記のような労働者に対しては人道的に残業を強制させてはいけないと考えるのが通常ですが、中には非道な経営者やマネジメント層がいるのも事実です。

非道な経営者、マネジメント層に対して法律で残業を抑止できるように規定されているということを知っておくと良いでしょう。

必要のない残業をさせるのはパワハラと同じ!必要のない残業を強制された場合の対処法

残業代で個人の所得が潤うため、残業をさせて欲しいという人もいるかもしれませんが、一般的に残業はしたくないものですよね。

ましてや残業できない理由があって会社に共有している、必要がないと客観的に判断できるのに残業を押し付けられるというのはたまったものではありません。

そういう不合理な残業を押し付けられたらどのように対応をすればいいのかをご紹介します。

上司の残業の目的を確認する

上司が不合理な残業を命じた場合、上司とケンカして残業を拒否しようとする人がいます(私は何度かケンカしたことがあります)がケンカしたところで何にもなりません。

そうでなく、上司に「その残業必要ないね!」と納得してもらうことが必要です。

では、残業しなくてもいいと納得させるためには何が必要なのかというと上司に、「なんで残業しないといけないのか?」を確認した上で残業を命じる理由を和やかに論破することです。

この時大事なのは、上司の言うことを一度受け入れた上で少しずつ論破していくということです。どういうことかというと、以下のようなやり取りをイメージしてもらうと良いです。

  • (上司)売上目標が達成していないので、それを埋めるために残業してクライアントに連絡を取れ!
  • (部下)そうですね、売り上げ目標が足りていない点本当に申し訳なく思っています。なんとか今月中に達成させるためのアクションを取ります!
  • (部下)ただ、現実問題この時間からクライアントに連絡しても怒られるかまともに対応してもらえないです。実際、それをやって取引停止になった事例もあるので・・・
  • (上司)じゃあどうするんだよ!!
  • (部下)新製品に関しての情報をメールで発信しています。明日、出社した後にニーズを確認するアポイントを取っていますし、他のクライアントに対してもアポイント調整を進めています!
  • (部下)現時点で夜間にやれることが特にないので残業することで残業代も発生しますし、人事から残業のことであれこれ課長が言われるのが申し訳ないので残業しない方がいいと思うのですがいかがでしょうか。

上司の立場を慮って、残業をするメリットと残業をしないメリットを両てんびんに乗せ、残業をしないほうが上司にとっても良いですよということを明示したほうが上司も残業命令を撤回しやすいです。

北風と太陽という寓話がありますが、北風ではなく太陽になって上司を懐柔させるというイメージをもって残業を断るというのが最良のコミュニケーションだと言えます。

上司が残業を強要するようであれば人事に報告する

上司は目の前の仕事のことを考えるのが仕事ですが、人事は現場の残業時間を規制して働かせすぎないように管理するのも仕事の1つです。

上司が体育会気質で理由のあるなしに関わらず残業をさせようとするのならば、残業を規制している人事に現状を伝えて改善を促すというのが次に取れる施策です。

人事にチクるって気持ちがいいものだと思わない人もいるかもしれませんが、自身で交渉しきれないのなら、他の人の力を使って残業を阻止することを考えた方がいいです。

そう考えた場合、現場で残業をして欲しくないと考えている人事にその交渉を依頼するのが一番交渉しやすい方法であると言えます。

労働基準監督署への相談・転職を検討する

上司や人事に掛け合ってもどうしようもないなら、お役所(労働基準監督署)に掛け合って是正させるか、その会社を見限って転職するかどちらかをおすすめします。

ただ、お役所とのやり取りは精神的に辛いことが増えますので筆者は転職の方をおすすめします。

残業を理由に転職をお考えの人は以下の記事も参考にしてください。

まとめ

以上、まとめます

  • 基本的に会社から指示された残業はこなさないといけない
  • ただし、契約に規定されていない、非人道的な残業は拒否できる
  • 残業を拒否するためには上司とケンカしてはダメ!対話から始めよう
  • 対話しても解決しないなら人事に解決を依頼する
  • どうしようもないなら労働基準監督署に訴えるか転職するかだが、手間を考えたら転職をするほうがいい

残業は原則拒否できるものではないのですが、状況によっては拒否できる可能性があります。その拒否できる法的な考え方を知りましょう。

そのうえで、残業を拒否するためのコミュニケーション、最終手段についてご理解いただけておくと良いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

関西学院大学卒業、1社目では大手証券会社に勤務  ・8か月でメンタルをやられ休職。 ・証券会社時代はお荷物社員として最低評価を受ける。「こんなひどい評価の奴初めて見た」とまで言われた。 以降、人材ベンチャー、大手転職エージェントに勤務し、2度の戦力外通告を受ける。 現職では、中小の転職エージェントでキャリアアドバイザー兼法人営業で2年連続で社内2位の売り上げを達成。前職退職時の年収450万円→2019年の年収は約1000万円 税金の支払いに苦労してます笑 【人物像】 ・ただの酒好き ・論理・理屈で物を考える 【記事の基本方針】 私のような最強のダメ人間でも、思考力、実力、環境を整備すれば それ相応の成果を出せるということを表現できればいいと思っています。 よろしくお願いします。