職場での残業の議論は尽きません。ある会社では、残業をするのが当たり前の風土であるのに、別の会社では、残業をしようとすると怒られるという話もあり、働く方々にとって残業は最も身近な労働問題の1つではないでしょうか。
しかし、働き方改革が施行されて以降、世の中は残業をしない、残業をしようものならば怒られる時代を迎えたと言っていいでしょう。
しかし、目の前では仕事がたくさんあるのになぜ残業を禁止され、残業をすると怒られる時代になったのか、残業をしないで仕事をするためにはどうすればいいのかを現役転職エージェント勤務の筆者が解説をいたします。
目次
なぜ残業すると怒られるは当たり前なのか?会社が残業を規制する理由

なぜ残業すると怒られるは当たり前な世の中になったのか、その理由は主に以下の2点です。
働き方改革が施行されたため
2018年に働き方改革が施行されました。これにより、実質青天井で残業ができるような労働法の仕組みが、労使間でOKしていたとしても残業時間を規制させる方向に変わりました。
政府はこの働き方改革をきっかけに、結婚・出産を機にビジネスの世界から一線を引いた女性や、60歳以上のリタイヤ層に再度ビジネスの世界で活躍してもらい、日本の労働人口を増やしたいと考えています。
政府は日本経済のために多くの人が働ける世の中にしたいという思惑もあります。
また、企業としては政府に睨まれたくないうえ、日本経済の成長率が上がらない以上、慣習で増えていた残業代を減らしたいという思惑があり国の働き方改革に乗ったと私は見ています。
少し余談ですが、政府が打ち出したプレミアムフライデーとか誰も覚えていないですよね?政府が音頭を取ったことでも企業はメリットがないと乗っかりませんん。
実際、働き方改革の残業規制は、月間45時間以内であれば従業員に命じても全く法律違反にはなりません。働き方改革の考え方を浸透させることは企業にもメリットがあったから働き方改革に参加するようになったと言えるでしょう。
会社での人件費を削減するため
上述でも少し触れましたが、人件費は会社にとって大きな支出になります。だからこそ、わざわざ面接の時間を2回~3回とって人物やスキルを確認し、会社の利益になる人材を採用しようとします。
その一方で、無駄な人件費は下げたいと考えるのが一般的な企業経営者です。残業をさせると企業では各従業員の給料を時給換算した金額の1.25倍かかる上、その給与計算をする人たちの残業代も増えるため悪循環です。
多くの企業は、残業をさせること、その残業に対し残業代を支払うのが当たり前になっている中、政府が「働き方改革」というものを打ち出して残業を規制すると言った瞬間、残業代を削減できると経営側は思ったのではないでしょうか。
残業せずに仕事を終わらせる3つの方法

このように、世の中が残業をさせない方向になっているので、残業をさせてくれないことに対して異を示してもあまり意味がないでしょうし、転職どうこうで解決できる問題ではないと考えてください。
残業を減らすためには、仕事のやり方を変えて残業せず仕事を終わらせる方法を考え、実行したほうが良いです。
では、残業をせずに仕事を終わらせる方法を解説していきます。
余計な時間を作らない
昔、筆者が働く中で、一番無駄だと思ったことがあります。それはモノを探す時間です。
仕事で必要なデータや資料を探したい時、机の中をあちこち漁りパソコンの中で資料探しにあくせくし、気が付いたら1時間が経っていたというケースがあります。
他にも、必要な文房具がない、やらなければいけない作業は何だったか思い出せないとか探す時間というのはとにかく無駄だと言えます。
そんな無駄を削減するために、筆者は以下を提唱します。
- 現物で資料を持たない・紙を使わない
- 文房具は机の上か同じ引き出しにまとめる
- 作業スペースに余計なものを置かない
- そもそも物は極力減らす(机の中を極力使わない)
- やるべき作業は常にノート等に書く
今筆者は在宅勤務で、机には引き出しが1つしかありません。仕事でメモをするためのノートは机に置き、資料などは全てパソコンに入れています。
恥ずかしい話、机の上は決してきれいな状態とは言えませんが、どこに何を置くか決めているため、モノを探すという時間かなり減っているためやらなければならない作業に集中できていると感じています。
無駄な時間を削減するという点で、モノを探す時間は本当に無駄です。ものを探さないで作業や思考に時間を費やしてください。
思考は常にする
残業できないということは、業務時間中に思考をする時間をなるべく減らすというのも大事なことです。とはいえ思考の時間がないとどうやって作業をスムーズにするのかを考えられないので良くないです。
そのため、会社の通勤・退勤、タバコの時間、家に帰ったあとの暇な時間など空いた時間で仕事のことを思考する時間を作るようにしましょう。
貴重なプライベートの時間を使うなんてもったいないと思うかもしれません。
確かに予定があるならその予定に時間を使うことの方が大事ですが、限られた時間の中で仕事を完了させないといけないなら、就業時間はなるべく作業に使った方がいいです。
私の感覚で言えば、就業時間に思考をする時は、朝出社して、仕事の手順を考えるときと、作業が行き詰った時に何を改善しないといけないのかを考える時とタバコの時間を思考に使い、他の時間はとにかく作業に没頭しています。
考えることは、会社の就業スペース以外でもできます。空き時間を活用して思考に充てるということも就業時間を効率的に使う上で大事なことです。
必要ない仕事はやらない
作業スピードを速め効率的に仕事を進めたとしても捌ける仕事の量は限られています。それなら、優先度の低い仕事はやらないと決めましょう。
もし、優先度が分からない、どれも優先度が高そうなら、上司に相談して、「全部今日やるのは無理」、「優先度を決めてください」、もしくは「助けてください」と言いましょう。
上記のようなメッセージを発することで、優先度を決めてもらったり、ヘルプ人員をあてがってもらえたり、仕事の進め方に対してアドバイスをもらうことができます
ちなみに必要のない仕事には、無駄な会議に参加しないことも含まれます。自分がいても何にもならない会議には「出ない」と言い切ることも大事です。
これは会社によりけりかもしれませんが、私は7割以上の会議、特に決定事項がなくて自身がいなくても決定ができる会議というのは不要な会議だと考えています。
会議で30分、1時間という時間を捨てるのは非常に勿体ないことですので、「会議に出ない」から始めてもいいかもしれませんね。
逆に、仕事を紋切り型に「とにかく全部終わらせろ」、「会議には全部出ろ」、「でも残業するな」という上司ははっきり言って無能なので、その人は無視してもいいですし、必要があれば見切りをつけて転職してもいいかもしれませんね。
上司は選べませんが、バカな上司と仕事をすると自分の時間が無駄になります。「やらない」ことを決めることで、上司の見切りをつけられるいいきっかけになるかもしれませんね。
まとめ
以上、まとめます
- 働き方改革を打ち出した政府と残業を減らしたい思惑のある会社の意向が合致して残業はできない雰囲気になっている
- 「探す」時間は無駄なので、探す時間を減らす工夫をする
- 業務時間は可能な限り作業に向け、空いた時間で「思考」をする
- 今日やらないことを決める
残業をしないためには、とにかく無駄を減らす「引き算」が必要です。業務時間にあれもこれもやろうとしているから定時で仕事が終らないのです。
定時で仕事を終わらせるためには、最低限の作業を効率よくやることに尽きます。結果、残業をして怒られるという事象を減らすことができると言えます。
個人的には仕事で怒られることを気にしなくていいとは思いますが、残業で怒られるのなら怒られないように残業を減らす工夫をすれば、結果として業務能力の向上につながるのでプラスです。
無駄を無くして、定時で帰れるよう本編を参考にしてみて実際の仕事に生かしてください。
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