残業が多すぎるから転職したい!そう思っている人は多いのではないでしょうか。筆者も毎日長時間残業している時は、辛い、疲れた、転職したいと思ったことも少なくはありません。
残業が多すぎることを理由に転職をすることは悪いことではありません。実際に、残業時間を理由に転職して、残業が少なくなったという事例はたくさんあります。
筆者も、現職に転職してから残業を減らすことができ、ワークライフバランスの改善を実現させました。
しかし、残業を減らすための転職を、成功させるために必要な条件というものがあります。では、残業を減らすワークライフバランス転職を実現するために何が必要なのかを現役転職エージェントの筆者が解説いたします。
目次
残業が多すぎるという理由で退職するのはOK!でも絶対やってはいけないNG行動

冒頭でもお伝えしたように、残業が多すぎるから会社を辞めたい、退職したいと思うことは自由ですし、それで新しい会社にいって仕事をしてワークライフバランスを改善できれば素晴らしい転職と言えるでしょう。
ただし、絶対やってはいけないNG行動があります。それは、今の会社を退職してから転職活動をすることです。
では、なぜ、今の会社を辞めてから転職活動をしてはいけないのかというと以下の理由があります。
安定して収入が得られなくなる
誰もが仕事をする理由は安定した収入を得るためだと言えます。しかし、仕事を辞めてしまっては、その安定した収入が得られなくなってしまいます。
会社都合での退職となった場合はどうなの?と思うかもしれませんが、その場合はハローワークに行けば、数日で失業保険がもらえるため問題ありません。
しかし、自己都合退職だと、失業保険の手続きを終えてから3か月程度支払いまでの猶予期間ができてしまいます。
安定した給与が支払われないことは生活維持においてかなり厳しい状況に陥ることを想定しましょう。
失業中も税金を払わないといけない
税金には、「市民税・住民税」という、地方自治体に支払う税金があります(通称地方税)。この地方税は前年度の収入が確定した後、1年間支払う税金、月々の支払い金額があらかじめ決められます。
そして、市民税は退職しようがしまいが、支払わなければならないことに変わりはありません。
他にも、保険料、国民年金など源泉徴収で忘れ去られている支払い項目もあります。そのことを忘れていると結構痛い目をみてしまいます。
離職した後の転職活動は不利になるケースがある
上記でもお伝えしたように、転職先を決めずに次の会社を決めてしまうと金銭面で厳しい生活を強いられることになります。普通に考えたら、次の会社を決めずに会社を辞めることは非合理的な選択だと言えます。
そして、ビジネスの世界は論理的でかつ合理的なことが正しいといわれる世界なので、次の会社を見つけずに退職してしまう人は非合理的な判断しかできない人だと思われてしまいます。
実際、「離職中の人は採用しない」という会社もあるくらい、離職中の転職活動は現職中の転職より不利に働いてしまうのです。
すぐに転職先が決まるとは限らない
退職して転職活動に集中したいという方もいるかもしれませんが、それは転職活動に集中すればすぐ転職先が決まると思っているからではないでしょうか。
しかし、現実は甘くありません。仕事をしながら転職活動をしようが転職先が決まる人はあっさり決まりますし、転職活動に集中しても全然書類選考を通過しない、面接に落ち続ける人はいつまで経っても決まりません。
転職活動に集中して転職先が決まるのかどうか分からない以上、離職して転職活動に集中するというのはリスクの高い行為だと言えます。
転職を成功するために必要な3条件

では、転職を成功するために必要な3つの条件とは何なのかを解説をいたします。
ある程度お金を捨てる
人間とは非常に欲深い生き物です。私の経験上、一度手にした年収を捨てられる人は決して多くはありません。
中には、一度年収を捨てて転職して上手くいかなかったから、前と同じような仕事をして、年収をその水準まで戻したいという人とお会いすることが多いです。
残業が多くて転職したいという人は、それだけ多くの残業代をもらっている可能性があります。(中にはサービス残業が多いという人もいるでしょうが)
しかし、残業を減らすということは、残業代を減らすということです。そして、転職先では即戦力の人を除けば、転職して年収を上げることは原則不可能です。
進撃の巨人という漫画で「何かを得るためには何かを犠牲にしなければならない」といったセリフがありますが、転職においても同じです。今の収入を捨てる代わりに、安心して長く働ける環境を手に入れるというのがあるべき姿です。
仮に目先の収入を捨てたとしても、活躍し、成果を出せばそれ相応の収入を稼ぐことができます。長期的な視点をもって転職をすることをおすすめします。
自身が将来目指すものが見えているのか
転職をする際、年収面や残業時間など目の前の課題を解決したいという思いが強くなるためどうしても近視眼的になりがちです。
近視眼的になることが決して悪い訳ではありません。今すぐ改善したいことがないとなかなか転職に踏み切れなくなることは当然のことです。
実際、筆者も新卒で証券会社に在籍した時、給料も福利厚生も良かった上に仕事が非常に楽だったためになかなか転職活動に本腰を入れられませんでした。
しかし、転職はゴールではありません。あくまでも再スタートの場所です。
大事なことは転職先で自身が活躍し、将来的なキャリアを構築することができないと、ジョブホッパーと呼ばれる1~2年であちこち転職するようなキャリアになります。
ジョブホッパーは転職市場で非常にウケが悪いため、結果として転職ができなくなり、年収も下がるという統計が出ています。
ジョブホッパーにならないようにするためには、自分の描く将来像、自分はどんな分野で活躍したいのか、また活躍できるのかを真摯に見つめ直さなければなりません。
転職の理由で高尚な理由を考える必要はありませんし、目の前の残業を減らしたい、もっと仕事の負担を減らしたいというニーズがあって良いです。
しかし、自分の未来を見つめるという作業は必ず行っていただきたいです。
総合的な仕事力を上げる
残業を少なくしたいから転職するという選択肢は間違っていません。ただ、残業を減らすために自身で何かしらの努力や工夫をして残業を減らす施策を打てていますか?
残業には2種類あります。それは、自分の努力で減らせる残業と自分がいくら努力してもどうにもならない残業です。大事なことは、前者をどれだけ無くす努力ができているのかということです。
転職をすると、新しい仕事を覚えないといけないですし、ある程度早期で結果を出すことが求められます。ある程度仕事力を上げていないと、ワークライフバランスを求め転職したのに、返って首を絞める結果に繋がってしまいます。
付き合い残業や、どう考えても処理できない仕事が振ってくるのなら転職で環境を変えるべきですが、自身の能力が一定以上ないと転職をするメリットそのものがないのです。
業務能力の向上に関しては以下の記事を参考にしてください。
まとめ
以上、まとめます。
- 次の会社が決まっていないのに退職するのはNG
- ワークライフバランスを取るのなら、年収は妥協する
- 目先のことだけではなく将来のことを考えた上で転職をする
- 一定の仕事能力がないと、転職した後自分の首を絞めるケースがある
残業時間が多いというのは立派な転職理由です。残業時間が多くて健康面に影響を与えるくらいなら転職してワークライフバランスを目指した方が得策です。
ただ、欲望のままに目先のことだけ考えて転職するとろくな結果になりません。目先のことを考えつつ、将来的な展望と、相応の能力をつけた状態で転職をするという長期的な視野を持ったうえで転職をしましょう。
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