筆者はこれまで4つの会社を経験し、色々な会社の組織内部を見てきましたが、その中でも残業をせず仕事を完了させている組織ととにかく残業ありきで仕事を進めているチームがあることを実感しています。
では、残業しないチームと残業だらけチームの習慣はいったいどんな点が異なるのでしょうか。
現役転職エージェント勤務で4社経験の筆者が、残業しないチームと残業だらけチームの習慣について一体何が違うのかを筆者自身の目で感じたことをお伝えします。
目次
残業しないチームと残業だらけのチーム仕事に対してのとらえ方が違う

残業しないチームと残業だらけチームの習慣の大きな違いの1つ目は、仕事に対するとらえ方が全く違うということです。
どう違うのかというと、残業しないチームは仕事をとにかくシンプルに解釈し、どうすれば楽に仕事を進められるのかを考えたうえで仕事を行います。
対して、残業だらけチームは、ミッションが与えられたら何も考えずにそのまま仕事に取り組みます。
どういうことなのかというと、例えばAという仕事が与えられた場合、Aという仕事は細かく分割するとA1、A2、A3、A4、A5という仕事に分けることができるとします。
残業しないチームの場合は、仕事のつながりがなければ、A1の担当、A2の担当、A3の担当、A4の担当、A5の担当に分割し、一気に仕事を片付けます。
対して、残業しないチームと残業だらけチームは、Aという仕事を丸々チームに投げてこれを終わらせるようにといった指示をします。
つまり、残業しないチームはAという仕事をしっかり分析し、最短距離で仕事を片付けようとするのに対し、残業だらけチームは、とにかく仕事の性質を考えず目の前の仕事を進めることしか考えないのです。
仕事をどう処理するのかという観点が全く異なるのです。
残業しないチームは、計画的に仕事を前倒しで終わらせる

残業しないチームと残業だらけチームの習慣の大きな違いは、計画性にも表れます。
基本的に残業しないチームというのは、とにかく仕事の計画を綿密に立て、納期よりも早く仕事を完了させるようなスケジュールを組み立て、仕事を早々に終わらせます。
なぜ、そういう仕事の進め方をするのかというと、大きく以下の2点の理由が挙げられます。
- 仕事で躓いた場合、リカバリーするための期間があると納期が守れる
- 限られた時間を有効に使うため
仕事の大前提は、最小限の力で最大限の成果を生み出すことです。仮に時間が余れば、他の仕事に取り組めますし、仮に仕事がないなら、チーム全体の休養に充てることができます。
結果として、次の仕事も最大限のパフォーマンスを発揮することができます。
また、仮に計画通り終わらなくても、期限通り仕事が終わることが最低条件なので、その最低条件をクリアすることができます。
仕事は前倒しで終わらせることが最も良いのです。
しかし、残業だらけチームというのは、最初から期限内に仕事を終わらせることを目標としますので、その間無駄な時間を使うこともありますし、期限ぎりぎりになったら夏休み終了前の子供の宿題のように、連日残業することになります。
仕事の進め方のみならず、計画性の違いというのが、残業しないチームと残業だらけチームの習慣の大きな違いといえます。
残業しないチームはゼロベース思考、残業だらけチームは真似をする

最初に断っておきますが、仕事の真似をすることは悪いことではありません。人の仕事を真似るということは、仕事の進め方のベースを作るという意味では非常に有効です。
ただ、何でもかんでも漠然と真似ればいいというものではありません。
残業しないチームの場合は、これまでの仕事の慣習を理解しながらも、果たしてこの仕事においてそのまま真似ていいのか、無駄はないのかということから考え、最終的に最短距離で効率的な進め方を考えたうえで仕事に取り組みます。
その一方、残業だらけチームはとにかく過去のやり方を踏襲し、無駄がないのかなど何も検証しないままそのまま仕事を進めようとします。
結果、残業しないチームは無駄のない最も効率的な仕事の進め方ができるのに対して、残業だらけチームの習慣は仕事を完了するという点では良いのですが、いくつか無駄が発生することになります。
しかも、ゼロベースで仕事をすることで、高い質を担保することができます。
残業しないチームのやり方は効率も高品質も担保できるという点で非常にメリットが大きいです。
残業しないチームと残業だらけチームは根本的に何が違う?

ここまで残業しないチームと残業だらけチームの習慣の違いについてお伝えしましたが、最も根本的に違う点は、1つの仕事に対して、ちゃんと考えているかそうでないかです。
残業だらけチームは与えられたミッションに対し、そのまま仕事をするということも、期限ぎりぎりで仕事をすることも、前例をただ真似ているとお伝えしましたが、共通しているのは惰性で仕事をしているということです。
仕事は、どんな仕事であってもクリエイティブで、顧客のことや組織のことを考えているからこそ価値があります。
裏を返せば、相手のことも自分のことも考えていない働き方が、残業だらけチームが行うような習慣のまま仕事をしてしまうということが言えます。
個人の仕事でも全く同じことが言える

ここまで、残業しないチームと残業だらけチームの習慣についてお話しましたが、これはチームの仕事だけに限ったことではありません。
実はここまで紹介した違いというのは、個人の仕事の進め方でも全く同じことが言えます。
仕事ができる人の進め方というのは、以下の要素が当てはまります。
- 仕事を分解し、もっとも楽なやり方で仕事を進める
- 計画的に仕事を進め、前倒しで仕事を終わらせる
- ゼロベース思考で仕事を進めることができる
- 何より1つ1つの仕事に対して真摯に考えている
筆者が新卒で入社した会社で、経営企画部に在籍した時、実は仕事の進め方に関して、上司から全く同じことを言われました。(なんなら無計画で仕事を進めていたので筆者はしょっちゅう怒られていました。)
仕事を進めることで最も大事なことは、最小限の力で最大限の成果を出すことです。それはチームという観点からも、個人の仕事の進め方という観点で言っても全く同じことなのです。
もし、仕事をだらだらと惰性で進めているのなら、そのやり方を改め、1つ1つ顧客や組織と向き合い、質の高い仕事を効率的にやろうと工夫する人こそが最終的に仕事ができる人になれるのです。
まとめ
以上、まとめます
- 残業しないチームは仕事を分解して効率的な仕事の分配を行っている
- 残業しないチームは仕事を計画的に進め、前倒しで終わらせる
- 残業しないチームは前例にとらわれずゼロベースで仕事をする
- 残業しないチームと残業だらけチームの大きな違いは、相手のことを考えているか、考えていないかという点に帰着する
- 残業しないチームと残業だらけチームの習慣の違いは、突き詰めれば仕事のできる人とそうじゃない人の違いでもある
仕事ができる組織も個人も、共通していることはとにかく相手のことを考えながら、いかに楽をしようかということを考えています。
楽をすることは悪いことだと思っているかもしれませんが、作業負担が少ないと最終的には仕事の質を担保することができるため、非常に大事なことです。
一番ダメなのは無計画に仕事をしながら、辛くなってきて所々細部に手を抜いてしまうことです。
本編を参考にして、組織だけではなく、自分の仕事の取り組み方を見直してください。そのうえで、自分の仕事の進め方でどう改善ができるのか是非考えてみてください。
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