求人票に残業0って書いていたのに、いざ入社してみたら深夜残業当たり前のブラックだったという経験はありませんか?
筆者も、前職に入社した際、面接時に事業部長が「遅くても20時にはみんな退社してる」というお話を頂きましたが、ふたを開けてみれば毎日22時退社が当たり前の超絶ブラックな社風でした。
このように、公表している残業時間と、実際の残業時間が異なるケースは珍しくありません。
では、そういった求人票の嘘をどのように見破れば良いのか、かつて求人票の嘘を見抜けなくてブラック企業に転職した経験もある現役転職エージェントの筆者が解説をします。
是非、求人票の書いている内容の真偽を突き止める方法を本編で理解してもらえたら嬉しいです。
目次
なぜ求人票には嘘が書かれているのか?

なぜ、求人票には残業時間の正確な記載がないなど実態と異なる嘘が書かれているのか、そのメカニズムについて解説をします。
具体的な要因は以下の通りです。
- 人事側が正確な情報を把握していない
- 平均値というトリック
- 目先の採用目標をクリアしたいという人事の思惑
それでは、それぞれ解説を加えます。
人事側が正確な情報を把握していない
残業時間などの勤務日報に関しては、従業員の自己申請とパソコンの使用記録などを見て管理をするのが一般的な方法です。(タイムカードの会社もあります)
基本的に本社、特に上場企業に関しては、社会的な風評被害を避けるために残業を無駄にさせない、コンプライアンスに違反しないような取り組みを地方の支店・営業店にも通達を出します。
一方で、地方の支店・営業店からは売り上げ目標という名のノルマで管理されているので、売上目標を落とすことはできないため、労務管理を偽って本社に報告をします。
結果、人事側は正確な労務管理ができていないため、求人票に記載された内容と実情が異なるということが起きます。
筆者は、新卒で入社した証券会社で支店事務の統括を行っている部署に在籍したことがありますが、その部署が実地調査した労働時間と、支店から報告を受けた労働時間とでは明らかにかけ離れていたということがありました。
支店側は、本社側に良い顔をしたいという現状がありますし、人事側は、支店の実態などについて正確な認識をできていないことが多いです。
平均値というトリック
平均という数値は良いも悪いも実情を表さないことがあります。
例えば、営業職10人とバックオフィス系職種10人の平均残業時間がそれぞれ60時間、0時間だった場合、その平均値は30時間です。
つまり、他の部署、他の営業所などのすべての合計を平均したからこそ、結果的に残業時間を低く見せることが可能となります。
余談ですが、平均残業時間を正確に把握していない会社も結構あります。その時間を調査するだけでもそれなりに手間だということも合わせて知っておくと良いかもしれません。
目先の採用目標をクリアしたいという人事の思惑
意外と知られていないかもしれませんが、企業人事は新卒、中途採用共に採用目標が設定され、それが人事評価の評価ポイントになります。
もっと露骨な言い方をすれば、採用目標数をクリアしないと給料が上がりません。
以前、筆者が大学時代に就職活動のイベントに行った際、某金融系のブラック企業の説明ブースに友達と遊び半分で話を聞きに行きましたが、どのブースよりもレベルの高いプレゼンをしていた記憶があります。(その会社はその後倒産しました)
そのプレゼンをしていた人が会社の人事の人なのか、外部のエキスパートを読んできたのかは分かりませんが、人事は採用目標に対し、非常に高い意識で達成しようとしている会社が多いです。
上記のような状況から、質の良くない会社の採用人事が自分の保身と給与のために、転職希望者の入社の阻害要因になることを敢えて隠すケースが想定されます。
求人票の嘘を見破る3つの方法

では、求人票の嘘を見破るためにはどうすればいいのかを解説します。具体的には以下3点です。
- 転職口コミサイトを確認する
- 業界・職種の一般的な働き方を知る
- 転職エージェントを介して企業に確認をする
では、それぞれ説明を加えます。
転職口コミサイトを確認する
転職会議やOpenworkなどの転職口コミサイトに関しては書かれている内容をそのままうのみにして欲しくないとは思いますが、1つの参考材料に使用するのはおすすめです。
これらの転職口コミサイトには、退職をした社員を中心に、会社の良かったこと、良くなかったことが書かれています。
結局会社を辞めた人の言葉なので、若干悪意が強い傾向にありますが、実情を確認するための材料の1つとしてはぜひ確認してもらいたいと思います。
業界・職種の一般的な働き方を知る
筆者の経験値だと、業界・取扱製品・サービスの同じ会社であれば、何かしら特色がない限りは、そんなに働き方は変わらないと認識しています。
居酒屋チェーンを見ると分かりやすいですが、深夜2時や5時まで店舗を運営しているお店が、運営会社が異なるからといって、労働時間にそんなに差はないのは見て取れます。
また、筆者が担当している医療業界でも、同じような製品を扱っている会社は、働き方や労働時間もほぼ変わりません。
上記のような背景として、顧客が同じなので、特に営業職の場合は顧客の動きに合った働き方をすることになることが挙げられます。
そのため、いくらその会社が「残業0」と謳っていても、同業他社で長時間の残業が発生しているのならば、その会社でも長時間の残業が発生していると思ってほとんど間違いありません。
求人票の内容について嘘があるのかないのかを検証するためには、その業界特有の働き方や顧客特性にフォーカスして実態を確認する必要があります。
転職エージェントを通じて企業に確認をする
当サイトでは、転職活動には転職エージェントを利用してくださいと言うことを常にお伝えしていますが、求人票の記載内容に疑念がある場合は転職エージェントを通じて、疑問点を人事側に確認をすることが可能です。
特に上記でお伝えしたような転職口コミサイトに「このような書かれ方をしているけど実際どうなのか」、「業界的にはハードワークだと認識しているが、なぜ同社は残業が少ないのか」といった聞き方をすると良いです。
会社側が、疑問に対して明確な回答ができているのならば、疑問点がクリアになりますし、回答に納得感ががない場合は、求人票に書かれている内容と実態と異なっているかもしれないということが推察できるようになります。
様々な情報収集を駆使して、その集めた情報をまとめ、転職エージェントを通じて人事に聞くというやり方を筆者はおすすめします。
良いキャリアアドバイザーであれば、こういった真相を調べることに協力的ですので、自身が信頼できると思ったキャリアドバイザーに依頼すると良いです。
良い転職エージェントの見分け方については以下の記事を参考にしてください。
現役転職エージェントがこっそり教える失敗しない転職エージェントの見抜き方
まとめ
以上、まとめます
- 求人票に嘘の内容が書かれているのは、基本的に人事側の都合
- 転職口コミサイトのリサーチや業界の実態を認識することで求人票の嘘を見抜きやすい
- 転職エージェントを通じて企業人事に疑問点をぶつけることで、実態がよりハッキリ分かる
求人票の内容は正確だと思うのは当然のことですし、筆者もなるべく実態に近い内容を書きたいとは思いますが、なかなかそういった情報を集めるのも大変です。
そのため、実態と異なる記載内容というのは、正直ないとは言い切れません。
転職エージェントをうまく使いながら実態調査をし、求人票の内容は本当なのか自分でもしっかり材料を集め考えて頂けると良いかもしれません。(特に内定フェーズに近いものがあるのであれば)
なかなか難しいことだとは思いますが、自分の身を守るためにも、また長期就業を実現するためにも、可能な調査は転職エージェントを利用しながら実施していただけたらと思います。
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