働き方改革が進んで残業が悪だという価値観が進んでいます。確かにこれまで筆者も以下のように残業に関しては不要、余計な残業をすべきではないという記事を多く書いています。
一方で、全ての人に残業を勧めないのかというとそうではありません。
社会人・正社員になったばかりの方に対しては残業しないということがマイナスに働くこともあります。新人の社会人の方は1~2年くらいは一定の残業を経験したほうが良いのです。
では、これまで残業を否定してきた筆者が正社員としてデビューしたばかりの若手に対して残業をおすすめする3つの理由について現役転職エージェント勤務の筆者が解説いたします。
目次
残業しないは通用しない!?上司が部下に残業を命じる背景

まずは、上司が部下になぜ残業を命じるのかという根本的な背景について説明をいたします。
会社が完全な残業規制を進めていない
世の中では働き方改革による残業規制が進んでいますが、全ての会社で完全な残業規制が進んでいるのかというとそうではありません。
もちろん会社として過剰な残業をさせないように管理をしている会社がほとんどですが、完全な残業規制をさせることが困難なため会社として残業を認めているケースが大半です。
仕事が終っていないから
単純に与えられた仕事については完了させるというのが社会人として当然のミッションです。
時間内に仕事が終らないのであれば、残業してでも終わらせるろ!ということを部下に示しているということに過ぎません。
仕事に対する価値観を植え付けたい
正直新人の社会人が大きな仕事をできると思っている上司は少ないでしょう。
それでも残業をさせてでも仕事を終わらせたいというのは「社会人は甘くない!」、「仕事は残業してでも終わらせないといけない」ということを遠回しに認識させたいという思惑があると思ってもらっていいでしょう。
冒頭にもお伝えした通り、世の中では働き方改革が進んで残業を制限する動きが進んでいます。そんな中でも自分の部下には社会人としての責任を知って欲しいという思いの上司もいるとお考え下さい。
残業は若い正社員だから奨励される!派遣社員は残業しないほうが好まれる真意は?

少し別の角度から残業に関してお話をすると、会社側の本音としては若い正社員には残業をして欲しいけど派遣社員には定時で仕事を上がって欲しいとも思っています。
実際、筆者が新卒で在籍した証券会社では派遣社員の方は定時で仕事を終え、若い世代の正社員に対しては残業を命じられることがありました。
この背景は、派遣社員は一時しのぎの人員補充であるのに対して、若手の正社員というのはこれから会社を背負っていく大事な人材であり、残業をさせる費用対効果が高いのは正社員にさせる残業だからです。
無駄な残業を奨励する気は毛頭ありませんが、会社は残業させてメリットがあるからこそさせているという側面があります。(もちろんそんなことも考えずただ残業させているケースもありますが)
世の中が残業を悪いものとみなしているから、残業をしてはダメなものと簡単に断罪すべきものではないととらえてください。
余談ですが、筆者は残業が嫌いですし無駄な労働を好みません。しかし、かつては1日4~5時間、月間80~100時間の残業をしていましたし、その残業に関しては経験して良かったと考えています。
その経験をつづったのが以下の記事です。
では、なぜ筆者がそんな多くの残業をして良かったのかということを新人の社会人に残業をしたほうが良い理由と併せて説明をさせていただきます。
残業しないことが必ず良いとは限らない!新人の社会人に残業を勧める3つの理由

では、筆者はなぜ新人の社会人に敢えて残業を勧めるのかというと以下の理由を挙げます。
単純に短時間で経験を積める
若いうちはとにかく多くの経験を積み、多少は無理をしましょう。なぜなら、短期間で多くの経験が積めるからです。(無理のし過ぎは厳禁ですが)
仕事のスキルアップは考えて行動したり、座学で色々詰め込んだりすることも大事ですが、やっぱり一番成長曲線を早めるのは場数を積むことです。
実際、筆者の前職は自身の性格と社風が最も合わない会社で働きました。しかも薄給、ブラック企業です。なんでそんな会社に入ったのかというと、単純に大きな有名な企業だったので営業をする上で経験値が積めると考えたからです。
実際、しんどいとは思いましたがとにかく大きな経験を積めました。その経験が生きているからこそ年収1000万円という大きな目標を達成することができました。(たかが1000万円だと思っている方もいるかもしれませんが)
経験を積むことは仕事の能力を向上させる上で残業は最も手っ取り早い方法だと言えます。
体力・精神力が身につく
筆者は根性論を決して好みませんが、それでも仕事をする以上は体力面、精神面の強さというのは欠かせません。
なぜなら、仕事と言う行為は人の悩みや喜びを生み出すための苦労を買って出るのが本懐だと言えます。苦労を請け負う以上単純に体力が必要ですし、どんな状況になっても精神的に負けないようになった方がいいです。
筆者は新卒の頃証券会社で営業をしていて、電話、飛込の営業がとにかく辛くて精神疾患を患いました。しかし、精神疾患を患ったからといって誰も助けてくれるわけではありません。
自分を守るのは会社ではありません。自分自身です。自分自身を守るためには、どんな厳しいことがあっても負けない精神力を作り上げること、仕事をやり遂げる体力をつけることです。
最初は大変かもしれませんが、慣れます。一度大変な状況に対して慣れることというのは仕事で成果を出すうえで非常に大事なことだと言えます。
非効率な働き方を知ることができる
効率的な働き方を知るためには、非効率を知っておいた方が良いです。なぜなら、成果を出すことそのものが簡単なことではありません。成果を出すためには多くの苦労があります。
しかも、成果を出す方程式を出せたとしても、その方程式は何年も通用するわけではありません。成果を出すための方程式は常にブラッシュアップしなければならないのです。
つまり、成果を出すためにはただ効率の良さそうなことだけやっていればよいというわけではないのです。
数多くの非効率の中から効率的でかつ成果につながるようなことをやらなければならないし、一度は無駄だと思ったこともあるとき有効になるケースだってあるのです。
効率とは、成果の出し方を知り、その成果を得るためのプロセスにおいて無駄を省いていくことで生まれてくるものです。まずは色々な無駄を経験してそこから効率を求める働き方を追求していきましょう。
まとめ
以上、まとめます。
- 上司は嫌がらせで残業をさせているわけではない!それ相応の理由があって残業を命じている
- 残業を若手に命じているのは育成を目的にしている側面もある
- 経験値、精神力や体力な観点からも若いうちに残業を経験しておく方がいい
- 何より無駄を無くすには無駄を知るところから始める必要がある
筆者は残業を肯定する気はないと思っていますし、無駄な残業なんてすべきではありません。しかし、それはある程度のキャリアを持ち合わせている人に対してです。
キャリアのない人に対しては強固なベースを早々に作る必要があります。強固なベースを作るためにはまずは遮二無二働くことです。効率は大事なことですが効率を求めるには無駄を経験する必要があります。
残業をしたくない気持ちも分かります。でもまずは命じられた残業を大事な経験だと思ってこなしてみましょう。
コメントを残す